【銀魂】松陽さん、愛しています。

九、強く* ページ11

―過去:幼少時代


高「…A先生ー!!」


あ「どうしたの?晋助」


高「A先生の着物、
　 すごく綺麗!!」




わたしが着ていた着物は


紫色で


鮮やかな蝶の刺繍が入った、


着物だった。




あ「ﾌﾌ♪ありがとう!
　 これはね、松陽さんから頂いたものなのよ」


高「いいなぁ〜!!
　 俺も欲しいー」


あ「……じゃぁ、
　 晋助がもっと、大きくなって
　 強くなったら、この着物あげるわ」




そういうと、晋助は


瞳をｷﾗｷﾗと輝かせた。




高「分かった!!俺、もっと強くなる!!」


あ「ﾌﾌ♪約束よ、約束」


高「うん!!」









―攘夷戦争時代


高「…ｸｯ…」


あ「晋助ッ!!」




その日、晋助は


左目をおさえながら、苦しそうに帰ってきた。


晋助の左目からは


まるで、血が涙に変わったように


流れ続けていた。




あ「…晋助」


高「…仲間が殺られそうだったから…
　 俺が…」




わたしは強く、


晋助のことを抱き締めた。




あ「…晋助、この着物をあげるわ」


高「…ぇ…でも…
　 俺は強くなんてなってねェ……俺ァ…」


あ「ううん、仲間の為に自分の命までをはれることは
　 強くなった証拠よ」




そういうと、晋助は


わたしにすがるように


泣きじゃくった…―――。

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