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3話 ページ4

「多分ここだと思うのですが」

とある雑居ビルの前で立ち止まって、阿原二等はこちらを振り返った。

「…歩くスピード早くありません?」
「私がですか?」

身長があって足が長いためか、私は常に小走りでついていく状態だった。

「さて、この上です」

造りが古いビルのようで、エレベーターなんて便利なものはなかった。

というわけで、既にヘトヘトだったが階段を登ることに。

「まだですか」
「存外に体力ないんですね」

ちょっとイラッとして、黙って駆け上がって行った。

「屋上ですから、すぐそこですよ」

サビが浮いた古いドアを力任せに開けた。

「……」


目の前に飛び込んできたのは、青空と、あまりに美しい人形。否、人間だった。

「鈴屋班長、こちらが吾妻二等捜査官です」
「ややっ、君が吾妻二等ですか〜!」

私がしばらくほうけている間に、人形、もとい鈴屋什造班長は私の顔を覗き込んでいた。

「顔が赤いですよ?」
「…気の所為では。本日より、こちらに異動になりました、吾妻A二等捜査官です」

努めて真顔で答えた。
大きな瞳が三日月形に変わった。

「鈴屋班長、ほかの班員はどこに?」
「ミズロー達は13区です〜」

柔らかな黒い髪を踊らせて、班長は答えた。

「改めてよろしくです、A」
「はい、お願いします」

女性のような華奢で細い手が私の手を包んだ。
ちょっと冷たくて、思ったよりもしっかりしていた。

その後の阿原二等からの視線がちょっと痛かったのは、気にしないことにしよう。

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だいすけ(プロフ) - 冬りんごさん» 放置中、読んで頂いて本当に嬉しいです… (2018年11月6日 18時) (レス) id: 5d2de3d17d (このIDを非表示/違反報告)
だいすけ(プロフ) - 冬りんごさん» コメントありがとうございます!ほんとですか!?ちょっと見てきますね… (2018年11月6日 18時) (レス) id: 5d2de3d17d (このIDを非表示/違反報告)
冬りんご - 面白くて鈴屋くんがめっちゃ可愛い(#´ `#)応援してます!!だけど、確か葉っぱ○国っていうサイトにだいすけさんの名前書かれてましたよ、書かれてて大丈夫なんですか…? (2018年11月4日 15時) (レス) id: 909a291f12 (このIDを非表示/違反報告)
だいすけ(プロフ) - 向葵さん» ありがとうございます!もっと頑張らなきゃですね! (2018年8月3日 11時) (レス) id: 9036e20e71 (このIDを非表示/違反報告)
向葵 - 面白いです! (2018年8月3日 8時) (レス) id: 38ef399b5a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だいすけ | 作成日時:2018年5月23日 1時

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