25話 ページ26
「…班長？」
この広いホールは、先程私が商品として出品されかかった場所で間違い無かった。
鈴屋班長は、飛び回る羽赫の喰種と戦闘状態にあった。ナイフ状のクインケで攻め立てるが、相手はひょいひょいとそれをかわしていく。
「他の班員と合流できたですか？」
「いえ、まだです」
班長は私の隣に立って耳打ちした。
「ジェイソンじゃないと、うさぎさんには分が悪いですかねぇ」
班長のクインケである13'ジェイソンは、大ぶりのサイズのため、潜入捜査の邪魔で置いてきていると班長は言った。
「半兵衛二等達が合流するのを待つしかないってことか…」
「A、手伝ってくださいです」
兎の喰種は２階席の手すりに掴まりながら、こちらの様子を注意深く観察しているようだ。
「班長、サソリの残数は？」
「あとちょっとだけです」
どのみち、ジェイソンが届かなければ厳しいということだ。
すると急に喰種が方向転換をして、ホールの外へ急ぐように出て行ってしまった。
「…拍子抜けですね〜」
「どうしたんでしょうか」
班長は分かりません、と首を振った。
「そんなことより、Aが無事でよかったですよ〜」
「班長は…まぁ、無事だと思ってましたよ」
班長は私のセーラー服にこびりついた血を見て、顔を歪めた。
「怪我、してるです？」
「いいえ、どこも」
班長は胸をなでおろしてほっと息をつくと、私の手をとった。
「グズグズしてる暇は無いですよ〜 合流地点に向かうです」
しっかり握り込まれたおかげで、やたらと滲む手汗が気になって仕方がなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 62人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「アニメ」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
だいすけ(プロフ) - 冬りんごさん» 放置中、読んで頂いて本当に嬉しいです… (2018年11月6日 18時) (
レス) id: 5d2de3d17d (このIDを非表示/違反報告)
だいすけ(プロフ) - 冬りんごさん» コメントありがとうございます！ほんとですか！？ちょっと見てきますね… (2018年11月6日 18時) (レス) id: 5d2de3d17d (このIDを非表示/違反報告)
冬りんご - 面白くて鈴屋くんがめっちゃ可愛い(#´ `#)応援してます!!だけど、確か葉っぱ○国っていうサイトにだいすけさんの名前書かれてましたよ、書かれてて大丈夫なんですか…? (2018年11月4日 15時) (レス) id: 909a291f12 (このIDを非表示/違反報告)
だいすけ(プロフ) - 向葵さん» ありがとうございます！もっと頑張らなきゃですね！ (2018年8月3日 11時) (レス) id: 9036e20e71 (このIDを非表示/違反報告)
向葵 - 面白いです！ (2018年8月3日 8時) (レス) id: 38ef399b5a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：だいすけ | 作成日時：2018年5月23日 1時
