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14話 ページ15

翌日、私が目を覚ましたのは微かに見覚えのある場所だった。

重たい体と、痛む頭。

「ママン、目覚めたっぽい」
「本当?」

ぼんやりした視界に写ったのは、佐々木一等…佐々木一等?佐々木一等?!

「私はいつここに」
「昨晩夜中にね、什造くんたちが運んできてくれたよ」
「…最悪だ」

班長に詰め寄った所までは覚えている。
だが、そこから現在に至るまでの一切を覚えていなかった。

二日酔いで最高に具合が悪い体を無理やり起こして、時刻を確認する。

時計の針はちょうど午後2時を指していた。

「佐々木一等、仕事に行かねば…」
「何言ってるの。そんな体調で行けるわけ無いでしょ、ほら横になってて」
「でも、まだやり残した書類が」
「それなら瓜江君がやってくれてるから」

不機嫌の極みみたいな表情の瓜江二等が頭に浮かんで、ますます気分が憂鬱になった。

「ほい、水」
「ありがとうございます」

米林三等からコップを受け取って一気に飲み干した。

「什造くんにお礼言わなきゃね」
「そうですね」

再び身を横たえて、真っ白な天井を睨む。

鈴屋班長は叔父さんのことを知っていた。
同じ喰種捜査官なのだから、知っていたとしてもなんの問題もない訳だが。
いずれにせよ、叔父さんについて詳しく知っているのは間違いないように思えた。

「サッサン、酔っぱらいは…」
「もう目を覚ましたよ」
「大丈夫っすか」

私は軽く頷いて、布団を被った。

「あ不知くん、少しの間吾妻さんの面倒よろしくね。僕達瓜江くん手伝いにいってくるから」
「ウッス」

バタバタといくつかの足音が去った後、いすを引く音が聞こえた。
不知三等が隣に座ったのだろう。

「しばらくお邪魔しますよ、吾妻二等」

私は何も答えずに、目をつぶった。

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だいすけ(プロフ) - 冬りんごさん» 放置中、読んで頂いて本当に嬉しいです… (2018年11月6日 18時) (レス) id: 5d2de3d17d (このIDを非表示/違反報告)
だいすけ(プロフ) - 冬りんごさん» コメントありがとうございます!ほんとですか!?ちょっと見てきますね… (2018年11月6日 18時) (レス) id: 5d2de3d17d (このIDを非表示/違反報告)
冬りんご - 面白くて鈴屋くんがめっちゃ可愛い(#´ `#)応援してます!!だけど、確か葉っぱ○国っていうサイトにだいすけさんの名前書かれてましたよ、書かれてて大丈夫なんですか…? (2018年11月4日 15時) (レス) id: 909a291f12 (このIDを非表示/違反報告)
だいすけ(プロフ) - 向葵さん» ありがとうございます!もっと頑張らなきゃですね! (2018年8月3日 11時) (レス) id: 9036e20e71 (このIDを非表示/違反報告)
向葵 - 面白いです! (2018年8月3日 8時) (レス) id: 38ef399b5a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だいすけ | 作成日時:2018年5月23日 1時

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