百九十五枚目 ページ8
Aside
「今日は休みみたいね。いーよじゃあ練習始めよう!」
「あの…スミマセン。黒子はボクです」
シン、と体育館が静かになる。
そして数秒した後、相田先輩の叫び声があがった。
「きゃぁああ!?」
「うわぁ、何?…うおっ!?ダレ!?」
「いつからいたの!?」
「最初からいました」
「ウソォ!?」
新鮮すぎるリアクションに、私は吹き出しそうになるのを我慢した。
わかる、本当に驚く以外リアクション取れないんだよ。
「…え?じゃあつまりコイツが!?キセキの世代の!?」
「まさかレギュラーじゃ…」
「それはねーだろ、ねぇ黒子君」
「…?試合には出てましたけど…」
「だよなー…うん?」
「え? え…!?」
「「え˝え˝え˝〜〜!?」」
信じられない、と言いたげな叫びにまた私は笑いそうになってしまった。
というか口を押えて、隠れて笑った。
そらそうだ。
初めての人から見たら、影が薄くて小柄な黒子がレギュラーだなんて思わない。
でも凄いんだよ、黒子って。
私は、ここの人達リアクションデカくね?なんて思いながら、遠目で様子を見ていた。
その後黒子のシャツも脱がせて他の人達と同じようにじーっと先輩が裸を見るが、不思議そうな顔をして終わった。
練習は普段通りの様子を見せてもらい、そして私はマネとして何をすればいいのかを教えてもらった。
ドリンクとかは各自持ってくるそうだから作らなくていいし、中学より人数も少ないから少し楽そうだなとか思ったり。
「そういえばさ、山梨さん風邪ひいてるの?花粉症?」
部活が終わるころ、猫のような目をした小金井先輩にそう聞かれた。
好奇心が旺盛そうな先輩の後ろでは主将である日向先輩が、花粉症の時期だもんなぁと鼻をすすっている。
「年中花粉症なんス」
「へぇ大変だねぇ!」
ウソだけど。
それでも信じてくれたのでそれでいいや。誰も傷つけない嘘だしね。
そして帰る間際に相田先輩が私を呼び止めたられたので、何かと思ったら一枚の紙を渡された。
「コレ、本入部届。バスケ部に入りたいって正式に思ってくれたらまた書いて渡してね!」
「わかりました」
「いつでも受け付けてるから!」
にっこりと笑みを浮かべる相田先輩に、私もぎこちなく笑みを返し帰路に就く。
入部届か、忘れないうちに書いとかなくちゃな。
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しゅる(プロフ) - はぁぁぁ!!!テツくんも主ちゃんの応援にはニヤついちゃうよねぇぇ!!もしや主ちゃんってキセキ+αにモテる…? (4月12日 0時) (レス) @page28 id: 9269892d89 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - しゅるさん» もしかしてキセリョの幼馴染みを見てくれていた方ですかね!? こちらの作品も見て下さりありがとうございます〜!絵も文も全く成長してないんですけど、そう言ってくれると嬉しいです…笑 ぼちぼち更新していきまーす!! (10月17日 1時) (レス) id: 3d31480182 (このIDを非表示/違反報告)
しゅる(プロフ) - こたきんぐさん!!!お久しぶりです!!今更ながら見ました!!(遅い)やっぱり最高ですね!!!そして絵がうますぎる!!いろいろニヤニヤしながら見てます!((( (10月14日 13時) (レス) @page21 id: 9269892d89 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 天使長さん» 嬉しいお言葉ばかり…!ありがとうございます!自分のペースになりますが頑張っていきたいと思います! (8月21日 20時) (レス) id: 3d31480182 (このIDを非表示/違反報告)
天使長(プロフ) - シリーズ1作品目から愛読してます!号泣したり、爆笑したり、とにかく文才が素晴らしいなぁと思ってます!あと絵も神レベルで尊敬しかないです!無理せず更新頑張ってください!待ってます! (8月19日 9時) (レス) @page4 id: a49e61df0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2023年8月6日 12時