二百十四枚目 ページ27
Aside
試合が始まり、最初に点を決めたのは海常笠松さんの3Pだった。
わかってはいたけれど、黄瀬がいなくてもこのチームは充分強い。
点差は開いていくそんなまずい状況に、黄瀬は火神に言った。
「
対抗できる可能性があるのはキミだけど…キミの実力はだいたいわかったっス。
潜在能力は認める。けどオレには及ばない。君がどんな技をやろうとみればオレはすぐ倍返しできる。どうあがいても俺には勝てねぇスよ。
ま…現実は甘くないってことスよ」
ベンチまで聞こえたその言葉に、知らずとペンを握る力が強くなった。
現実は甘くない、確かにそうだね。
でもそれは私達だけに言えたことじゃないんだよ、黄瀬。
世の中何があるか分からない。それは私が今まで十数年生きてきて、充分わかった。
なんでも思い通りに勝ち進んで行けるかなんて、誰もわかんない。
わからないから諦めない、諦めの悪いやつがここに少なくとも1人はいること、私はよく知ってる。
「クックック…ハッハ…ハハハハハ……!!」
「……?」
火神がいきなり天を仰ぎながら笑い出した。
頭にボールでも当たっておかしくなったのかと思ったが、どうやらそうでは無いらしい。
なんでも黄瀬の弱点に気づいたんだと。
「いくら身体能力が優れているお前でも、カゲを極限まで薄めるバスケスタイルはできない…つまり。
くしゃりと黒子の頭を押し付けドヤ顔をかます火神と不服そうな顔をする黒子。
火神は本当になにか思いついたようで、第1Qが終わりベンチに戻ってきた時に考えを教えてくれたが、それには黒子と火神の連携が必要になるものだった。
「二人の連携が大事よコレ、できる?」
「…う、なん…とか…、…きょっ…!?」
監督の言葉に煮え切らない返事をする火神の脇腹に、掌をぶっ刺す黒子。火神は予想通りキレた。
しかし黒子に 黄瀬を倒すのだろう と真剣な眼差しを送られ、再び火がついた火神は先程自分がされたことを黒子にやり返し、元気よく返事も返していた。
そんな二人の様子を鼻でふっと笑いながら、作戦をスラスラとノートに書いていく。
そこから考えられる相手の動きも考えてみたりしながら、私は第2Qへ挑む彼らを見送った。
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しゅる(プロフ) - はぁぁぁ!!!テツくんも主ちゃんの応援にはニヤついちゃうよねぇぇ!!もしや主ちゃんってキセキ+αにモテる…? (4月12日 0時) (レス) @page28 id: 9269892d89 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - しゅるさん» もしかしてキセリョの幼馴染みを見てくれていた方ですかね!? こちらの作品も見て下さりありがとうございます〜!絵も文も全く成長してないんですけど、そう言ってくれると嬉しいです…笑 ぼちぼち更新していきまーす!! (10月17日 1時) (レス) id: 3d31480182 (このIDを非表示/違反報告)
しゅる(プロフ) - こたきんぐさん!!!お久しぶりです!!今更ながら見ました!!(遅い)やっぱり最高ですね!!!そして絵がうますぎる!!いろいろニヤニヤしながら見てます!((( (10月14日 13時) (レス) @page21 id: 9269892d89 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 天使長さん» 嬉しいお言葉ばかり…!ありがとうございます!自分のペースになりますが頑張っていきたいと思います! (8月21日 20時) (レス) id: 3d31480182 (このIDを非表示/違反報告)
天使長(プロフ) - シリーズ1作品目から愛読してます!号泣したり、爆笑したり、とにかく文才が素晴らしいなぁと思ってます!あと絵も神レベルで尊敬しかないです!無理せず更新頑張ってください!待ってます! (8月19日 9時) (レス) @page4 id: a49e61df0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2023年8月6日 12時