二百四枚目 ページ17
Aside
「海常高校と練習試合!?」
「っそ!」
「ウソ…」
次の日になれば、皆を集めた場であっさりと練習試合の相手を教えてくれた。
教えてくれたのはいいものの、よりにもよって海常だって…?
海常と言えば…黄瀬がいる。
あの黄瀬だ。あの…。
連絡はあっちが毎日メッセージを送ってくるからしてるけど、会うのは中学以来。
高校も教えてない。
なんか教えたら来そうだし、意地にでも教えなかった。
なのに…そんな…。
別にクソほど会いたくないとかじゃない。なんならちょっと会いたいとか…んん。
でもやっぱり気まずいんだよな、と伊達メガネのずれを直していると、なにやらざわざわと周りが騒がしくなっていることに気づいた。
「あーもー……こんなつもりじゃなかったんだけど…」
「アイツは…」
ざわつくギャラリー…女子たちの中心にいたのは、先程話に出てきていたキセキの世代の一人。
「黄瀬涼太!!」
「……お久しぶりです」
「ひさしぶり…。…スイマセン、マジであの…え〜と、てゆーか五分待ってもらっていいスか?」
黄瀬の前まで続くのは長蛇の列。
サインを書いてもらうために、どこからか噂を聞いた女子生徒たちがずらずらと並んでいる。
というかなんでここにいるんだ、というかいつからそこにいた。
相変わらず調子乗りやがって…と少しイラついた私は小さく舌打ちを打つ。
五分といった黄瀬は、勿論この列を五分でさばけるわけなく十分ほどかけてファンサービスを…ってここはそういう場ではないんですけれども。
まあ上手く女子全員をさばいた黄瀬は座っていた檀上から飛び降りた。
「いやーホントスイマセン、お待たせしちゃって」
「…なっ、なんでここに!?」
「いやー次の相手誠凛って聞いて、黒子っちが入ったの思い出したんで。挨拶に来た…ん、ス、よ!?」
ばっちり。
黄色い瞳がこれでもかというほどかっぴらき、ぶ厚いレンズの先にある私の目と目が合う。
黄瀬は私の姿を捉え、数秒処理落ちしたかのように動かなかったが、正気に戻った途端奴はツカツカと私の元へ早足で近づき肩をがしりと掴んだ。
「なぁんでAっちまでこんなところにいるんスかぁ!?」
「うっるさ」
「……?」
思わず耳を塞いで、そっぽ向く。
相変わらずぎゃあぎゃあワンワンうるさいなコイツ。
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しゅる(プロフ) - はぁぁぁ!!!テツくんも主ちゃんの応援にはニヤついちゃうよねぇぇ!!もしや主ちゃんってキセキ+αにモテる…? (4月12日 0時) (レス) @page28 id: 9269892d89 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - しゅるさん» もしかしてキセリョの幼馴染みを見てくれていた方ですかね!? こちらの作品も見て下さりありがとうございます〜!絵も文も全く成長してないんですけど、そう言ってくれると嬉しいです…笑 ぼちぼち更新していきまーす!! (10月17日 1時) (レス) id: 3d31480182 (このIDを非表示/違反報告)
しゅる(プロフ) - こたきんぐさん!!!お久しぶりです!!今更ながら見ました!!(遅い)やっぱり最高ですね!!!そして絵がうますぎる!!いろいろニヤニヤしながら見てます!((( (10月14日 13時) (レス) @page21 id: 9269892d89 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 天使長さん» 嬉しいお言葉ばかり…!ありがとうございます!自分のペースになりますが頑張っていきたいと思います! (8月21日 20時) (レス) id: 3d31480182 (このIDを非表示/違反報告)
天使長(プロフ) - シリーズ1作品目から愛読してます!号泣したり、爆笑したり、とにかく文才が素晴らしいなぁと思ってます!あと絵も神レベルで尊敬しかないです!無理せず更新頑張ってください!待ってます! (8月19日 9時) (レス) @page4 id: a49e61df0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2023年8月6日 12時