八十六枚目 ページ40
Aside
さつきちゃんと黒子を二人きりにするために、私は紫原と自動販売機へと足を進めていた。
「あ、Aちん。さっきまいう棒あげたからジュース奢ってー」
「対価が見合わな過ぎるけど…ま、今日だけなー」
「まじ?」
「いらないの?」
いるー、と間延びした返事を聞き私は鞄から財布を出す。
ちょっと歩けば自動販売機はあって、どれにしようかと身を屈める紫原の隣で財布の中の小銭をあさった。
私の分は黄瀬に奢ってもらったし、紫原に奢っても私はプラマイ0だ。
しかし、あいかわらず身長でかいなぁ。
言動は子供なのに、図体は人一倍デカく育っちゃってまぁ。
紫原の顔をまともに見たことあるかと聞かれたら、無いと答えれる。
「コレにする」
「…色すごいけど飲めるの?」
「このシリーズ好きなんだよねー」
飲むんならいいけど…と私は自動販売機にお金を入れ、紫原にラムネなのに液体の色が赤色の飲み物のボタンを押してもらう。
がこん、と音がして落ちてきたジュースを手に取ったと思えば、次は紫原自身の財布を取り出しお金を入れまた同じのモノを買った。
「黒ちんの分―」
「ああそう」
ぷしゅっと早速私が買った方の蓋を開けグビッと怪しい液体を飲む紫原。
「んー、おいしー」
「まじで?」
「飲んでみ」
ジュースを持つ長い手が私の胸の前まで伸びてきたので、反射的に空いている手でそれを受け取った。
半信半疑でだけど、思い切ってぐいっと飲む。
「思ってたより結構おいしい」
「でしょー。もっと飲んでいいよ」
「私が買ったしねー」
遠慮なくグビグビと飲んでやってから渡す。
ちゃぷんと音を鳴らしながら紫原の手に帰ったジュースはまた紫原の口へ運ばれた。
…?あれ、私なんか忘れてないか?…まあいいや。
ちゅーっと手元にあった自分のミルクティーを飲んだらさっき飲んだラムネ味のジュースが口に残っててちょっと顔をしかめた。
隣でまだ残ってんじゃんという声が聞こえたがスルーである。
自動販売機に用はなくなったので、さつきちゃんと黒子がいる場所へ戻った。
「ハイおみやげー。お菓子取ってくれたお礼、黒ちんに奢るよ」
「ありがとうございます」
紫原は黒子に見た目不気味、味結構なジュースを手渡す。
ザ・蛍光色なソレを見たさつきちゃんは驚いていたが、黒子は恐れ知らずなのかゴクンと飲んだ。
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こたきんぐ(プロフ) - 。さん» お返事遅くなりすみません!いいえ…完結ではありません…続きます…また近々ぼちぼちあげます(泣) ありがとうございます! (2022年11月7日 23時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
。 - 面白くてイッキ見しちゃいました!ちなみにこれは完結なんですか? (2022年10月30日 22時) (レス) @page36 id: 309377f64b (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - (名前)まいさん» ありがとうございます!ぼちぼちやってきます…!! (2021年8月28日 12時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
(名前)まい(プロフ) - 最高 (2021年8月14日 22時) (レス) id: ec16fd7069 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - ぼた餅さん» ありがとうございます!お返事遅くなり申し訳ないです…。ほんと自分のペースになるんですが頑張らせていただきます! (2020年8月16日 17時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2020年5月23日 20時