八十五枚目 ページ39
Aside
「オレの本気はこれからっスよ!」
ばちこんとウインクをかました黄瀬は勢いよく機械に小銭を入れ、軽く準備運動をしながらダンス台に立つ。
マジでリズムまで完璧にコピーした黄瀬は先程のカッコ悪いダンスではなく…。
結果はハイスコア、しかも殿堂入り。
周りにいた、黄瀬のプレイを見守っていた人たちが拍手を送る。
「どうスか!」
「え、あぁ、すごいすごい」
「へへ!」
終わってすぐに私の元へかけてきた犬をとりあえず反射的に褒めた。
満足そうに笑った黄瀬は、これでまいう棒も手に入るっスよね?とまたウインクを決めていた。
コイツどんだけカッコつけたいんだ。
「あれ?テツ君?」
ちょっと目を離した隙に黒子がいつの間にかいなくなっていた。
なんてこった、いつからいなかった。
キョロキョロと本気で探す気はないけど、とりあえず周りを見渡していると、さつきちゃんが黒子を見つけたみたいだ。
「もぉどこ行ってたの!」
「すみません、ちょっと景品を取りに行ってました」
「え?景品?」
「これです」
と出してきたのはお目当てのまいう棒。
黄瀬の分かと思えば、なんと黒子が取った景品だという。
やったんだって、黄瀬が踊っている間黒子も。気づかんわ。
さつきちゃんは想い人の黒子の珍しいところを見逃ししっかりショックを受けてる。
しかも黄瀬の点数だと景品はまいう棒じゃなかったらしく、黄瀬の努力は虚しく散った。
散った黄瀬はふらふらと貰えるものは貰ってくると交換所へ行った。
そして黒子から景品を貰った紫原はさっそく封を開けサクッと頬張る。
「おお…おおっ!これイケる…」
「うまいんだ」
「いる?」
「くれんの?」
「なんかと交換」
「あとでな」
簡単に自分のお菓子を渡す奴ではないのはわかってた。
けれど後でなんかやると言えば一本ずいと差し出してきたので私も包装を破りサクリ。
「おおっ…」
「イケるっしょ」
うん、と返事しサクサクと咀嚼する。
私が一本食べている間に紫原は多分五本は食べてた気がする。
「喉乾かないの?んな食べて」
「ん〜乾いたかも」
だろうな、と言いながらゴミを鞄の中に入れ、手元にあるミルクティーをチューっと吸う。
私は飲み物飲むけど紫原は飲まないの?状態である。
「自販機探してこよー」
「……私もいくわー」
「あんじゃんソレ」
「もう無くなったの」
うそ。あと半分はある。
けどここで私が紫原とどっかいけばさつきちゃんと黒子二人きりになれるよね?
人の恋路応援したこととかないけど、多分これが正解。
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こたきんぐ(プロフ) - 。さん» お返事遅くなりすみません!いいえ…完結ではありません…続きます…また近々ぼちぼちあげます(泣) ありがとうございます! (2022年11月7日 23時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
。 - 面白くてイッキ見しちゃいました!ちなみにこれは完結なんですか? (2022年10月30日 22時) (レス) @page36 id: 309377f64b (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - (名前)まいさん» ありがとうございます!ぼちぼちやってきます…!! (2021年8月28日 12時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
(名前)まい(プロフ) - 最高 (2021年8月14日 22時) (レス) id: ec16fd7069 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - ぼた餅さん» ありがとうございます!お返事遅くなり申し訳ないです…。ほんと自分のペースになるんですが頑張らせていただきます! (2020年8月16日 17時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2020年5月23日 20時