四十九枚目 ページ3
Aside
それでも外の世界にいたい思う私が悪いのだろうか。
いや悪くないだろ、別に私は悪い事なんてしてない。
ただ布団を被ってるだけ。人に迷惑かけて無いだろ。
迷惑かけないように布団被ってんだから、もう、なんなんだよいっつもっ
「きゃっ!?」
「!?」
もう駄目だ剥かれると思った時、上からバスケットボールが降ってきた。
真上から降ってきたような音がしたが、周りに上から落とせる建物はない。
ないけど、真上から落ちてきた。
しかしそれで助かった、布団をつかんでいた手が一気に遠のく。
「なに、ボール!?」
「あぶなっ、…誰!?」
周りを見渡しても誰もいない。
ポカンとしていたけど、すぐにまた横暴な先輩たちは私に矛先を向けた。
「アンタ!!何したのよ!」
「怪奇現象じゃん、絶対お前のせいじゃんこわっ!」
「はっきり言うけどさあ、早くマネ辞めてくんない!?」
それが一番言いたいことか、なんて冷静に思うもやっぱり非常にまずい状況である。
というかボールは私じゃない。そんな能力持ってない。
こんな大声で叫んでいるなら誰か来てもいいけど、バスケをしている音だとか、いろんな音でかき消されているみたいだ。
嫌がらせはよくあったけど、ここまで酷いのは初めて。
人に助けを求めるようなことはしたくないけど、とりあえず、逃げたい。
逃げたいのに隙がない。
そんな時、この場にあわない能天気な明るい声が入ってきた。
「あれー?何してるんスか?喧嘩っスか?」
「キセリョ!?なんでっ」
キセリョ君が来た途端、私の周りから蜘蛛の子のように散ったこの先輩ら。
私はらしくもなく安心したのか、足の力が抜け、膝から崩れ落ちた。
そんな私を見たキセリョ君は一度近寄ろうとしたけどぐっと踏み止まっていた。
「べ、別に喧嘩とかじゃないよー?ほら、私達同じ部活だから、仲良くなろうと思って喋ってただけー!」
思わずひきつる口角、明らかに態度が違いすぎる。
キセリョ君はふーんと言って笑みを浮かべているようだった。
「そうなんスか!俺は用事あるからもう行かなきゃっスけど、センパイ達も早く戻った方がいいっスよ!じゃっ」
「そうだね!ほら皆行こ!」
キセリョ君は元居た方向へ戻っていき、先輩たちは二軍の体育館まで走って行った。
誰もいなくなった今も足に力が入らなくて、壁に寄っかかりながら立とうとしたけどそれでも無理みたい。
情けないなぁと思っているとこちらへ焦ったように駆けてくる足音が一つ聞こえてきた。
先程、キセリョ君が戻っていった方向から。
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こたきんぐ(プロフ) - 。さん» お返事遅くなりすみません!いいえ…完結ではありません…続きます…また近々ぼちぼちあげます(泣) ありがとうございます! (2022年11月7日 23時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
。 - 面白くてイッキ見しちゃいました!ちなみにこれは完結なんですか? (2022年10月30日 22時) (レス) @page36 id: 309377f64b (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - (名前)まいさん» ありがとうございます!ぼちぼちやってきます…!! (2021年8月28日 12時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
(名前)まい(プロフ) - 最高 (2021年8月14日 22時) (レス) id: ec16fd7069 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - ぼた餅さん» ありがとうございます!お返事遅くなり申し訳ないです…。ほんと自分のペースになるんですが頑張らせていただきます! (2020年8月16日 17時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2020年5月23日 20時