四枚 ページ6
Aside
「ただいまー」
ため息交じりで、すでに鍵の開いている家に入るとぱたぱたというスリッパの音が奥から聞こえてきた。
その音の主は、にっこにこの笑顔でおたまを持っている、バカ兄貴。
「おっ帰りー!今日はどうだった?楽しかった?」
「うるさいし鬱陶し抱きつかないでてかおたま置いてきて」
そういって布団の中から鬱陶しいほど抱きついてくる兄に、肘パンを食らわす。
ヴっ、という鈍い声が聞こえたが、とりあえずスルーしておいた。
「んも!ひどい、お兄ちゃん泣いちゃう」
「勝手に泣いてれば?大丈夫、私には何にも関係ないから」
「冷たいっ、そんなのでお友達出来ると思ってるのか!」
「兄貴には関係ないし、そのうち多分きっといつかできると思うし!」
お兄ちゃん、ほんと心配で心配で…と嘘泣きを零す兄を置いて、私は靴を脱ぎやっと玄関にあがる。
この、鬱陶しいハイテンションの兄は、山梨
今年中学三年生、どこに通ってるとかはあまり聞かないから忘れたけれど、まぁどっかの帝光中とは違う中学校に通ってる。
一般的に見ると顔はまあよく、バレンタインとか普通にもらいまくってて、なんかモテてるみたい。意味が分からない、なんでこんな変人がモテるのか。
「で?ホントに学校大丈夫なの」
「…別に、いつもと変わらない」
「先生に怒られてると。まぁお布団被ってたらねぇ」
「私はとらん、意地にでも」
「Aの好きにすればいい」
ふわりと優しく笑う兄は、そういってじりじりとこちらに近づいてくるのがわかる。
まぁどうせまた私に抱き着きに来ているのはわかっているので、私もそれに比例して後ろに下がっていくのだが。
「近づくなよ、バカ兄貴。そして今日のおご飯はなんだ」
「ぶりの煮つけとお豆腐とわかめのお味噌汁、白菜のおひたしでございます」
「よーし、もう食べれるようだな。なら私は着替えてくるからご飯普通盛りで飲み物は麦茶で用意しておくように」
「らじゃっ!」
それと同時に飛びついてきたので、私は素早く二階の自室に逃げた。
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こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます!!(好き) 少々お待ちをっ! (2020年5月22日 20時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 続編おめでとうございます!!(お前は早すぎんだよ) (2020年5月21日 22時) (レス) id: 1be42be6d7 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます!そのお言葉嬉しい限りですうう!ほんとに更新遅いですが頑張ります! (2020年5月13日 15時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 応援してます!(短くてすみません()) (2020年5月13日 14時) (レス) id: d0b41bf1bc (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 手越さん» リメイク前!?大昔から…!あの時は本当に…ちょっとお恥ずかしいwありがとうございます!ぼちぼちですが頑張っていきます! (2020年5月13日 14時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2019年7月20日 12時