四十二枚 ページ44
Aside
昼休みの出来事などサラリと流れ、放課後。
さてこれからマネとして働く一軍へ行くかと教室を出ようともそもそ動くと、遠くの方から私の名前を呼ぶ…いや叫ぶ声が聞こえた。
「やーっまなしさーん!!」
「あ、桃井さゲフッ」
言い切る前にぎゅっと私に抱きついてきたのは大きなお胸を携えた桃井さん。
桃井さんはわたわたしながらごめんなさいと謝ってくる。
「いや大丈夫…で、どしたの?」
「今日から一軍でしょ?一緒に行こうと思って迎えに来たの!」
顔半分しか見えないけれど、にんまりと嬉しそうに口角を上げ、なんなら周りに花が咲いているように見える桃井さんの後ろには、めんどくさそうに歩くガングロの姿があった。
「お前が一軍来るなんて考えてなかったわ」
「それは私自身もですぅ。…桃井さん、これからよろしくね」
「うん!もちろんだよう!なんなら私のこと、これから…その…」
いきなりもじもじしだす桃井さんに、私とガングロは首を傾げる。
「なんだよさつき、トイレ行きてぇの?」
「ち、違うわよ!山梨さんにね、さつき、って呼んでもらえたら嬉しいなぁって、思って」
照れたように言った桃井さんに、私は布団の中でぱちくりと瞬きをした。
名前で呼んでほしい、なんて最近言われたことないし、私自身親しく呼ぶ人なんてなかなかいないわけだし。
「さつき、ちゃん」
「…っうん!さつきです!」
嬉しそうに返事するさつきちゃんに、胸の奥がムズムズして、いますぐにでもしゃがんで布団の中で丸まりたくなった。
ガングロはそんな私達のことを興味なさそうに見ていて、早く行こうぜと急かしていた。
「…ガングロはさつきちゃんのなんなの?呼び捨てで呼んじゃったりしてさ」
「あ?さつきは幼馴染みみたいなもんなんだよ。てかお前俺のことずっとガングロガングロって…シツレイだと思わねぇの!?」
「お前だって私のこと変人変人って…、一緒だわ!っはー!さつきちゃんの幼馴染みのくせに全然違うなぁ!」
「幼馴染みなだけなんだから当たり前だろ―が!ばーかばーか!」
「くっそ幼稚だな!馬鹿って言った方が馬鹿なんだよばーか!!」
ぐるるると二人些細な事からいがみ合い、今ではこいつは私の布団を引っ張ってそれを私が阻止している状況である。
そんな様子をさつきちゃんが優しい雰囲気で見守っており、すっかり仲良しだね、なんて笑っていた。
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こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます!!(好き) 少々お待ちをっ! (2020年5月22日 20時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 続編おめでとうございます!!(お前は早すぎんだよ) (2020年5月21日 22時) (レス) id: 1be42be6d7 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます!そのお言葉嬉しい限りですうう!ほんとに更新遅いですが頑張ります! (2020年5月13日 15時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 応援してます!(短くてすみません()) (2020年5月13日 14時) (レス) id: d0b41bf1bc (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 手越さん» リメイク前!?大昔から…!あの時は本当に…ちょっとお恥ずかしいwありがとうございます!ぼちぼちですが頑張っていきます! (2020年5月13日 14時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2019年7月20日 12時