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二枚 ページ4

Aside


どんっ、と上手く成功したと思われる受け身から私は体制を戻し、立ち上がる。

ちゃんと周り見ろよなっ!私!




「……大丈夫かい?君」




立ち上がった私の前には、ぶつかった際についたシワを手で払い伸ばす、赤い髪の人物がいた。

この赤髪は確か、…なんだっけ。




「あっははー、すいませーんぶつかっちゃって。全ては私のことをアホと呼び追いかけてくるアホが悪いんで」

「…は?」





こてん、と首を傾げる姿は何故か様になっていて。

あ、この人あれだ。財閥の息子だって言ってた。…赤貝財閥だっけ?たぶんそれ。

ちょっと自信ないけど、赤い髪してるし、赤ついていたはずだし、多分あってる。





「あっ!い、いたっ、山梨この馬鹿!!」

「アホから馬鹿に昇格してる!バカって言う方が馬鹿なんだぞ馬鹿教師!」

「っていいながら逃げんなっ!!赤司スマンがそいつ捕まえてっ!」

「はい」




ゼェハァ言っている先生の言葉を素直に聞き、赤司(・・)君は私の腕を布団越しにがしりと掴む。

その掴む力は決して痛くはないが、絶対振り切れないという、なんとも程よい力だ。

褒めてないからな、このスプラッタ色め。





「その、赤司君。ぶつかってなんだけど、あのね、手、離してくれるかな」

「すまないね、先生からの頼みだから」

「まぁっ!今頃の子は何でもかんでも大人の言うことばっかり聞いてぇ…ちょっとは反抗しなさい!」

「…先生、どうぞ」





彼は少し目を見開いたかと思うと、ひょい、と私の身柄を先生に渡した。

おい酷いなあんた。





「助かった赤司、本当にありがとう。ほらっ山梨!まだまだ説教と課題は終わってないぞっ!」

「えっ!うそー!」

「うそーなんてどの口でほざいてるんだ、ほらいくぞアホ」

「先生のお口悪いですね!絶対来世でもそのまた来世でもずっと悪いままですよ!」

「うるさい余計なお世話だ。
おめぇには言われたくねぇし……っはぁ、とにかくまだ家には帰さん。
赤司迷惑かけたな、部活頑張れよ」

「……はい」





赤司君は、貼り付けたような笑みを浮かべ返事を返した。

彼は彼なりに闇が深そうだ。なんて。





「って、先生!布団を掴まないで!剥けるっ!」

「こうでもしねぇとお前逃げるしこっち来ねぇだろ」

「うん!よく分かってる!!」





そう明るくいえば、先生は布団越しにチョップを食らわしてきた。


.

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こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます!!(好き) 少々お待ちをっ! (2020年5月22日 20時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 続編おめでとうございます!!(お前は早すぎんだよ) (2020年5月21日 22時) (レス) id: 1be42be6d7 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます!そのお言葉嬉しい限りですうう!ほんとに更新遅いですが頑張ります! (2020年5月13日 15時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 応援してます!(短くてすみません()) (2020年5月13日 14時) (レス) id: d0b41bf1bc (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 手越さん» リメイク前!?大昔から…!あの時は本当に…ちょっとお恥ずかしいwありがとうございます!ぼちぼちですが頑張っていきます! (2020年5月13日 14時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/  
作成日時:2019年7月20日 12時

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