二十枚 ページ22
Aside
「失礼しまーす」
「あら来たのね山梨さん。もう乾いてるわよ」
ぼっちを回避した体育を終え、制服をとりに保健室に来た。
迎えてくれたのは、入学式早々お世話になり、それからというもののお昼寝にベッドを使わせてくれるほど仲良くなった女の保健室の先生。
語弊があった、この先生は病人がいないかぎりだれでもお昼寝用にベッドを貸してくれる。
もちろんベッドは早い者勝ちだ。
「ありがとー、せんせ」
「いいのよ、水を被るなんて災難だったわね。
あと先生、ちょっと職員室に用事ができたから、行ってくるわ。適当に着替えて、そのまま教室に帰ってくれて大丈夫だから」
「はーい」
伸びた返事を返し、ハンガーにかかった制服を下ろす。
先生が保健室を出て行った後、私は着替えるために閉じたベッド脇のカーテンを開いた。
「ッギャ」
「……あ?」
そこには銀髪の男子生徒が寝転がっていて、思わずビックリ小さな叫び声を漏らす。
なんの音も聞こえなかったから、誰もいないと思ってた。その拍子に落としてしまった制服を拾い、気を取り直すために一つ咳払いをする。
「いつからいたの」
「はあ?…って、お前布団モンスターじゃん」
「だからなんでこんな私化け物扱いされてんの?なんなの?」
意味わかんないと付け足し、布団の中で腕組をすると、銀髪の不良男子はむくりと体を起き上がらせ私を見つめた。
決して目が合っているわけじゃないけれど、こちらを見てきているのはわかる。
「お前なんで布団被ってんだよ」
「何でアンタに言わなきゃいけないの」
「隠したいほどブスだとか?」
「覗くなバカ!」
めちゃくちゃ覗いてくるので、思い切り背を向けた。
すると不良は後ろから布団を引っ張ってくるのでやめろと布団の中で回って頭突きをくらわす。
「いだっ!?」
「お前ほんと何!?非常識すぎ嫌い!」
「非常識だァ!?テメェの方が非常識だろこのブス!」
「はぁあん!?そうやって外見で悪口いうやつこそ性格ブスですぅ!」
ぎゃいぎゃい二人で言い争いをしていると、あらあらと扉の方から保健室の先生の声が聞こえた。
先生にコイツ出禁にして!と訴えてもまぁまぁと静められるだけ。
「とりあえず灰崎君はお昼ご飯食べてきなさい。山梨さん今から着替えるから」
「はいはい、じゃあまた昼寝にくるわ。センセイ」
もうくるなとぼそりと呟けば、灰崎と呼ばれる不良は私に向かって舌を出し帰っていった。
……腹立つなぁアイツ!
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こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます!!(好き) 少々お待ちをっ! (2020年5月22日 20時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 続編おめでとうございます!!(お前は早すぎんだよ) (2020年5月21日 22時) (レス) id: 1be42be6d7 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます!そのお言葉嬉しい限りですうう!ほんとに更新遅いですが頑張ります! (2020年5月13日 15時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 応援してます!(短くてすみません()) (2020年5月13日 14時) (レス) id: d0b41bf1bc (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 手越さん» リメイク前!?大昔から…!あの時は本当に…ちょっとお恥ずかしいwありがとうございます!ぼちぼちですが頑張っていきます! (2020年5月13日 14時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2019年7月20日 12時