十八枚 ページ20
Aside
口うるさい担任に、お前そのジャージどうしたと責められたが、別にー、とだけ言い返していたらいつの間にか4時間目の体育の時間になっていた。
多分制服も、この時間が終われば乾いてるはず。
制服は保健室で乾かしてもらってます。
「はい、二人一組になってー」
それボッチには禁句な気しかしない。
でもいつも一人なので、もう慣れてる。
フラフラーっと先生の元へ、ぼっち申告しにいく。
「先生、組む人いないです」
「…今日は一人休んでるからな、スマンがいつもみたいに先生とは出来ないんだ。男子の方で余ってるから、多分今日の競技は男女でも大丈夫だからさ、よろしく頼むよ」
「……はあ」
いつも通り先生とかと思えば、男子とやれという。
体育は、隣のクラスと合同なので、あまり知らない人もいる。男子となればよくわからない人が多い。
「で、あまりは誰だ」
「僕です」
「……ッギャ」
気配がしなかった。
完全にしなかった。
後ろから声をかけられて、思わず小さく叫んだ。
心臓がバクバクして、胸もとを抑える。
「山梨さん、ですよね。今日はよろしくお願いします。黒子テツヤです」
「あ、う、うん。よろ、しく…黒子くん…」
影が薄すぎる。
それが彼についての第一印象。
「…それにしても、山梨さんって、いつもどうやって体育の授業を受けているんですか?布団、邪魔じゃないですか?」
「あぁ、それは心配ないよ。ここからね、紐が出て」
「……おぉ」
肩あたりから設置していた横幅3センチほどの紐を両端から引っ張り出してきて、蝶々結びで胸前で止める。
「これである程度布団が離れません」
「…いつも不思議だったんです、動いたりしてるのに、布団が落ちないなって…。他にも止める道具があるんですか?」
「いや、体育の時くらいだよ、固定してるの」
「そ、れは……布団に愛されてますね」
「よくわかってんじゃん」
布団の奥からニカッと笑っておく。
そうよ、布団を愛して布団に愛されている私だからね。不思議な力が働いていつもは微動打にしないのさ。
無理やりひん剥かれたら当たり前だけど取れます。
「おいそこの二人、ちゃんと準備体操しろよ。そんでボール取ってこい」
「あーい」
雑談をしていると、先生に軽く怒られた。
初めて会って初めて喋るんだからもう少しくらいね、いいじゃんね。
って、私ちゃんと話せてるじゃん。
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革ベルト
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こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます!!(好き) 少々お待ちをっ! (2020年5月22日 20時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 続編おめでとうございます!!(お前は早すぎんだよ) (2020年5月21日 22時) (レス) id: 1be42be6d7 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 暁月さん» ありがとうございます!そのお言葉嬉しい限りですうう!ほんとに更新遅いですが頑張ります! (2020年5月13日 15時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
暁月(プロフ) - 応援してます!(短くてすみません()) (2020年5月13日 14時) (レス) id: d0b41bf1bc (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 手越さん» リメイク前!?大昔から…!あの時は本当に…ちょっとお恥ずかしいwありがとうございます!ぼちぼちですが頑張っていきます! (2020年5月13日 14時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2019年7月20日 12時