嫌い、大ッ嫌いなの【おそ松さん】

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あと少しでチャイムが鳴ろうとしていた時だった


ーｶﾞﾗｶﾞﾗ



教室のドアが開いた

立っていたのは…



「ねぇ、あの人って岸川先輩じゃない？」

「本当だ！！」



俺より一つ上の岸川宏樹(キシガワヒロキ)先輩だった

成績優秀、スポーツ万能、容姿も性格も文句無しの完璧な人

三年生ではもちろん、後輩の女子にも人気がある

知らない人は恐らく少ないだろう

でも何故その先輩がこの教室に来たんだ？



「あ、あの子だ。美人な転校生」



先輩の隣に居た友達らしき人が如月のことを指す

如月のことを見に来たのか？



「…へぇ。可愛いじゃん」

「だろ？」



そう言うと先輩は如月に近づいていった



『…ｯ』

「ね、君と少し話したいな。お昼休み、裏庭に来てよ」



“じゃあね”と言うと先輩は教室を出ていった



「いいなぁ、A！岸川先輩とお話なんて！」

「あの人 超モテてるんだよ！」



女子はｷｬｰｷｬｰ言いながら先輩の話をする

やはり人気だな…



「……ぇ、如月？」



だけどアイツだけは何故か唇を噛み、拳を握り締めていた

何で、そんな表情(かお)をしているんだ…

先輩とは知り合いなのか？

まぁ、俺には関係ないだろう

そう思って練習していた劇の台本に目をやった








岸川先輩が彼女を苦しめていた人物だと俺が知るのは
もう少しあとの話–––––––

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