嫌い、大ッ嫌いなの【おそ松さん】

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＊一松side＊



「なぁ、一松」

「…ん」

「今更だけどさ、何で如月はカラ松を嫌いになったの？」



部室に向かう途中のことだった

チョロ松兄さんが俺にそんな事を聞いてきたのは

廊下に並んで歩く

外からは運動部の掛け声が聞こえてくる



「俺に聞かれても困るんだけど…」

「…カラ松の次くらいに仲良かったでしょ？」

「…多分ね」



俺はアイツとは二番目に仲が良かった、と思う

暗くて皮肉な俺のことを友達と呼んでくれた

猫のことを話すと、興味を持って聞いてくれた

アイツのことは“友達”として好きだったし、カラ松との恋も応援していた

だからあんな事が起こったのに衝撃を受けた

それにアイツから一言、



『私、猫より犬派。今まで話聞いてたけど、全く興味なかった』



て言われた

俺はブチ切れて、その後のことは覚えていない

何をしたのか…



「–––ま、つ？…一松！」

「…ぁ、なに？」

「ボーッとしたけど大丈夫？」

「大丈夫。ちょっと考え事」

「そ。じゃあ、僕は此処で……」

「…ん」



チョロ松兄さんと別れて、俺は一人で歩き出す

……アイツは、如月は––––



「本当にカラ松が嫌いなのかよ……」



呟いた声に応える声はない

その代わりグラウンドに大きな声が響いた

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