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HappyHalloween!! ページ5

『中原幹部!失礼いたします!』

陽気な声とノックの音。
今年も来たか。

中也は内心笑って入室を許可した。

途端わっ、と賑やかな声がして十数人の子供たちが執務室になだれ込んできた。
全員が思い思い、色とりどりの仮装をしている。

頭に魔女の帽子を乗せた流華が『せーのっ!』と声を掛けると、全員が息を吸い込んで

『Trick or Treat!?』

大合唱。一成にジャックオランタンを模った籠を差し出す。

この子らは抗争孤児や、現在遠征に出ている片親家庭の子供たちだ。
マフィアなんかやっている癖になんやかんや心根の優しい流華が毎年ハロウィンになるとこうして拠点内を連れ歩いている。

だから、毎年この日に拠点にいる幹部は菓子を準備しておくのが暗黙の了解みたいになっている。

黒服たちも、なんやかんや子供が可愛いのか、菓子を買って待っている奴もいると聞いた。
女性構成の中にはわざわざ自宅で菓子を作る者もいるらしい。

ったく。生温いとは思うが、こんな時間だって悪くはない。

「ほら、持ってけ」

中也が異能で浮かせた菓子がパラパラと籠に落ちると子供らは歓声を上げた。

『みんな、お礼は?』
『ありがとうございます!』
「おう」

手近な子の頭を撫でてやると、自分も!自分も!と列が出来たから結局全員撫でまわしてやった。

それが済めば、さぁ次へ!と子供たちは走り出す。
ついて、扉を出ようとした流華の腕を引く。

『どうしたの、中也?』

プライベートの名で自分を呼んで振り返る彼女。
それに、中也の口角がちょっと上がる。

「Trick or Treat?」

ぎくり、と固まる彼女に笑う。

『…降参』
「じゃ、悪戯」

軽く、流華の唇を食む。

『ちゅ、中也!』
「…続きは、帰ってからな?」

待ってる。

耳元に囁けば、彼女は頬を赤く染めて、逃げるように部屋を出て行った。

――大人のハロウィンは、此れからだ。

明るい世界【流れ星様リクエスト:『昏き目覚め』続編】→←御姉様と虚構の宴【青紫様リクエスト:御姉様シリーズ、組合との会食】



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設定タグ:文スト , 文豪ストレイドッグス , 中原中也   
作品ジャンル:アニメ
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ちょこ(プロフ) - パピルスさん» お待たせしました!先刻其の11にてアップ完了いたしましたのでご確認お願い致します。 (2017年10月29日 22時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - パピルスさん» お久しぶりです!!お返事遅くなり申し訳ありません!!(;´・ω・)リクエスト誠にありがとうございます!!10/27-29日頃アップにて書かせて頂きます!少々お待ちくださいませ! (2017年10月26日 0時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
パピルス - 記憶の雨の続編をリクエスト宜しいでしょうか。何年か過ぎて生まれ変わった2人を書いて頂きたいです!記憶は全くないけど何処か知っているような感じで惹かれ合うお話を書いて頂きたいです!お願いします(人´∀`*) (2017年10月23日 23時) (レス) id: 8aa7434c54 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 黒鶫文佳さん» お待たせいたしました!!其の7にてアップさせて頂きました!ご確認よろしくお願いいたします! (2016年12月9日 18時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ふうかさん» お待たせいたしました!先刻其の7にてアップ完了致しましたのでご確認くださいませ! (2016年12月8日 23時) (レス) id: 2bc1ed36c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちょこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/  
作成日時:2016年10月28日 21時

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