人形師と来訪者 【翠輝様リクエスト:人形師シリーズ、恋愛イベント】 ページ31
「痛ェ」
中也は執務室で頬杖を付いていた。
いや、正確には腫れた頬に氷を押し付けているのだ。
つい先ほどの事。
事故で流華の胸に顔を埋めたせいで思いっきり平手を食らったのである。
しっかり手形がついたおかげで下手に外に出られない。
むすっとながら、早く引っ込まないか、と鏡を覗きこむ。
「…彼奴、手小せェんだな」
ふいに。自分に刻まれた手形にそんな感想を抱いた。
そういえば。
先刻の事故で触れた体は華奢だった。
1つの事が切っ掛けになって次々に思い出す。
普段彼女が掛けている遮光眼鏡が、落下の衝撃で落ちた事。
眼鏡の奥の瞳がとても綺麗だった事。
真っ赤に染まった顔。
思い出した瞬間。
確かに、胸が高鳴った。
「嘘だろ、おい…」
無い。それだけは無い。無いはずだ。
流華は幼馴染だ。
人形狂いの変人だ。
自分に言い訳を並べ立てても、無駄な事だった。
ーーこれは、恋だ。
「いや、違う!!」
中也は頬の腫れも忘れて部屋を飛び出した。
向かう先は流華の執務室。
※
其処にいた彼女は目を丸くする。
『どうした、無能幹部。
懲りずにセクハラか?』
「うるせェ」
一気に距離を詰めて。
彼女から遮光眼鏡を奪う。
『な!?』
困惑する彼女。
その瞳を中也はとっくり眺める。
「…はァ」
『なんだ無礼者』
「駄目だ」
流華は眉を釣り上げる。
しかし、中也の口から出た言葉は流華の予想を遥かに超えていた。
「俺、手前ェに惚れたらしい」
『…すまない。先刻強く殴りすぎたか?』
「正気だ、莫迦」
中也は流華の前で口角をあげる。
彼女はそれを信じられない物を見る目で見つめていた。
――――
リクエストを頂きました。
翠輝様誠にありがとうございます!
このようなモノでよろしかったでしょうか?
可能であれば感想をお願いいたします。
2016年11月21日ちょこ
めたもるふぉーぜ未満【桜様リクエスト:猫耳中也をいじり倒す夢主】→←人形師と落下事故【翠輝様リクエスト:「人形師シリーズ」ラッキースケベ】
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ちょこ(プロフ) - パピルスさん» お待たせしました!先刻其の11にてアップ完了いたしましたのでご確認お願い致します。 (2017年10月29日 22時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - パピルスさん» お久しぶりです!!お返事遅くなり申し訳ありません!!(;´・ω・)リクエスト誠にありがとうございます!!10/27-29日頃アップにて書かせて頂きます!少々お待ちくださいませ! (2017年10月26日 0時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
パピルス - 記憶の雨の続編をリクエスト宜しいでしょうか。何年か過ぎて生まれ変わった2人を書いて頂きたいです!記憶は全くないけど何処か知っているような感じで惹かれ合うお話を書いて頂きたいです!お願いします(人´∀`*) (2017年10月23日 23時) (レス) id: 8aa7434c54 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 黒鶫文佳さん» お待たせいたしました!!其の7にてアップさせて頂きました!ご確認よろしくお願いいたします! (2016年12月9日 18時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ふうかさん» お待たせいたしました!先刻其の7にてアップ完了致しましたのでご確認くださいませ! (2016年12月8日 23時) (レス) id: 2bc1ed36c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/
作成日時:2016年10月28日 21時