【文スト】【文豪ストレイドッグス】短編集【中原中也詰め】其の6

体術兄弟【blue様リクエスト：中也の弟夢主】 ページ23

夢主様が男の子で、中也さんの弟君です。
恋愛要素はございませんが、苦手な方はご注意くださいませ

※

『兄貴』
「あ？」
『チビだな』

云い置いて走り出す流華。
中原中也の2つ下の実弟だ。

残念ながら160糎で止まった中也の成長は、どうも弟が全部持っていったらしい。
現在20歳で身長179糎。流華の最近の趣味は中也を見下ろす事。

「待てコラ！！」

体術使い二人の鬼ごっこなんて、周りは堪った物じゃない。
できるだけ、廊下の端に寄って見送るが吉。

しかし、成人した男同士でよくも、あれだけ騒げるモノだ、というのがポートマフィア共通の認識である。

※

『痛ってェ』
「手前ェのせいだろ、莫迦」

結局今日の鬼ごっこは兄弟まとめて金色夜叉に首っ玉を掴まれて終わった。
もちろん、その後、紅葉の前に引き出されて拳骨と説教をたらふく頂いた。
今は、その帰り道だ。

「手前ェ、ちっとは糞生意気な性格なおせ」
『聞こえねェなァ』

かちん、とは来たが飲み込む。説教に逆戻りは勘弁だ。

『あ、そういや』
「あ？」
『任務あるぞ、今日』
「…は？はァァあ！？」
『兄貴が追っかけるせいで云いそびれた』
「人のせいにすんなこの糞が！！」

中也の絶叫を慰める者は、残念ながら此処にはいない。

※

午前零時。突入。
中也と流華ならば、作戦はいらない。

出逢った敵は殺せ。

其れだけだ。

『じゃ、行くぜ兄貴』
「嗚呼、行ってこい」

中也はナイフを手に。
流華は日本刀を手に。

敵陣に踏み込む。

後は振り返る事もしない。心配もしない。
お互い、死んだって弱いとこなんか見せない。そんな兄弟だってありだろう？

きっちり1時間後。

撤収の集合場所、と事前に決めた場所に流華の影があった。

「早かったな流華」
『めちゃくちゃ弱かった、此方の敵』
「は、良いじゃねェか」

中也が握った拳を差し出す。
流華は同じようにして、中也の拳と合わせた。

――――

リクエストを頂きました。
blue様誠にありがとうございます！
このようなモノでよろしかったでしょうか？
可能であれば感想をお願いいたします。

2016年11月15日ちょこ

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