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冬の朝 ページ22

秋の終わり。
冷え込みの強い朝。
流華は寝室の扉を開ける。

何時も恋人と寝起きを共にしている寝台に近寄っていく。
其処にはこんもりと山が一つ。

流華と同棲中の恋人、中原中也。

『起きて』

まずは、耳元で甘く囁いてみる。
いっそ清々しい程無反応だ。

『中也、起きて!』
「ん…」
『起きてってば!』

作戦変更。少し荒っぽく行こう。
揺さぶって起こそうとする流華に中也は「頭痛い」と唸る。

『もう、だから昨日飲み過ぎだって云ったのに』
「ん〜」

このままでは冗談抜きで会議に遅刻だ。
二度三度肩を叩いてみたが起きる気は無いらしい。

仮にもポートマフィアの幹部がこんなに寝汚くて良いんだろうか。
しかも、警戒心が全くないときた。
恋人として有難いが今は別だ。

とにもかくにも起こさないと。

窓を開ける。
途端部屋に乾いた風が吹き込んだ。
程よく暖房の効いた室内と対照的な冬の匂い。

「ぅ…ン」

流石に寒いのか。
震えて掛蒲団を抱き込む中也。
流華は容赦なく其れをはぎ取る。

『朝ですよ、御寝坊さん!』

薄く開いた青い眼が瞬き数度。
流華を確認して

「…寒ィ」

ぼんやりそう呟いた。
流華は大きなため息一つ。

『ほら、シャンとして!
ほかほかの珈琲とトーストの朝ごはんが待ってるから』

離れようとした瞬間。
腕を引っ張られて。

ぐらり。

気付いた時には寝台に引きずり込まれていた。

『ちょっと、中也!?』
「流華…ほかほかだなァ」
『ちょっと!寝ぼけてるの!?起きてってば!』

肩口を叩いてもびくともしない。

『中也!!』
「ん…後、5分」

中也はそれっきり黙る。
…此れはまずい。

流華はもがいて顔を出す。

やっぱり中也は気持ち良さそうにすよすよ寝息を立てていた。

ああ、もう此れは駄目だ。遅刻確定だ。
流華は天井を仰いで、如何言い訳するか考えて。

腹いせにちょっと中也の頬を抓ってやった。

体術兄弟【blue様リクエスト:中也の弟夢主】→←中原先生と嫉妬



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設定タグ:文スト , 文豪ストレイドッグス , 中原中也   
作品ジャンル:アニメ
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ちょこ(プロフ) - パピルスさん» お待たせしました!先刻其の11にてアップ完了いたしましたのでご確認お願い致します。 (2017年10月29日 22時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - パピルスさん» お久しぶりです!!お返事遅くなり申し訳ありません!!(;´・ω・)リクエスト誠にありがとうございます!!10/27-29日頃アップにて書かせて頂きます!少々お待ちくださいませ! (2017年10月26日 0時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
パピルス - 記憶の雨の続編をリクエスト宜しいでしょうか。何年か過ぎて生まれ変わった2人を書いて頂きたいです!記憶は全くないけど何処か知っているような感じで惹かれ合うお話を書いて頂きたいです!お願いします(人´∀`*) (2017年10月23日 23時) (レス) id: 8aa7434c54 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 黒鶫文佳さん» お待たせいたしました!!其の7にてアップさせて頂きました!ご確認よろしくお願いいたします! (2016年12月9日 18時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ふうかさん» お待たせいたしました!先刻其の7にてアップ完了致しましたのでご確認くださいませ! (2016年12月8日 23時) (レス) id: 2bc1ed36c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちょこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/  
作成日時:2016年10月28日 21時

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