中原先生と校閲さん【青紫様リクエスト:現パロ、作家中也と校閲夢主】 ページ19
もう暗記してしまった番号をプッシュ。
其れに応えたのは
≪御掛けになった電話番号は、現在電源が入っていないか…≫
電子音のアナウンス。
『あの不良作家!!』
その声に流華は思わず叫ぶ。
社員が数人驚いて振り向いたが、知った事か。
念の為。家電にもかけたが矢張り繋がらない。
携帯の電源を落として、電話線を引っこ抜いているのだ。
締め切りの催促を回避する為に。
『もう、今度という今度は許さない!!!』
此れで原稿出来てなかったら如何してくれようか?
彼と不仲で有名な太宰先生辺りと軟禁してやろうか。
ぶつくさ云いながら、デスクに置いた鞄を引っ掴む。
『ちょっと、先生急かしてきます!!』
其れだけ云い置いて社を後にする。
流華はPM出版社に勤める編集者。
悩みの種は現在担当している作家、中原中也である。
大ベストセラー連発!という派手な作家ではないが、何処かメルヘンチックで、郷愁を誘う作風で通好みと云われる作家だ。
根は真面目な人間らしいが、とにかく喧嘩早くて問題を起こすわ、酒乱だわ、締め切り破りの常習だわ、実に担当泣かせの男である。
その上、今時珍しい手書き作家だから、流華は編集と校閲を兼任しているのだ。
そして。残念ながら。このややこしい男、現在流華の恋人なのである。
頭が痛い事この上無い。
車で10分。
貰った合鍵で問答無用、部屋に突入。
「よォ、待ってたぜ、流華」
肩口に刺繍の入った着流しで笑う男に、力が抜けた。
此奴。原稿出来てる癖に、わざわざ人が来るように仕向ける為に電話無視していたらしい。
『中也!』
怒鳴りながら差し出された原稿を引っ手繰る。
中也は笑うだけだ。
とにもかくにも校閲しなければ。
――実はこの時間、流華は好きだった。
未だ誰も知らない物語を読めるのだから。
眼を通して。誤字脱字を拾っていく。
『なんか、いらない字が入ってる処があったけど…良かったよ!』
「そりゃ良かった。いらない字、拾って読んでみな」
流華は首を傾げる。付けた印を順番に拾って。見つけた。
≪あいしてる≫
『原稿で遊ぶな、莫迦!!』
大絶叫。其れを。
中原中也は笑って。そっと抱きしめた。
――――
リクエストを頂きました。
青紫様誠にありがとうございます!
このようなモノでよろしかったでしょうか?
可能であれば感想をお願いいたします。
2016年11月11日ちょこ
中原先生と太宰先生→←無邪気な彼女【ラムネ様リクエスト:首領の姪っ子に想いを寄せる中也】
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ちょこ(プロフ) - パピルスさん» お待たせしました!先刻其の11にてアップ完了いたしましたのでご確認お願い致します。 (2017年10月29日 22時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - パピルスさん» お久しぶりです!!お返事遅くなり申し訳ありません!!(;´・ω・)リクエスト誠にありがとうございます!!10/27-29日頃アップにて書かせて頂きます!少々お待ちくださいませ! (2017年10月26日 0時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
パピルス - 記憶の雨の続編をリクエスト宜しいでしょうか。何年か過ぎて生まれ変わった2人を書いて頂きたいです!記憶は全くないけど何処か知っているような感じで惹かれ合うお話を書いて頂きたいです!お願いします(人´∀`*) (2017年10月23日 23時) (レス) id: 8aa7434c54 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 黒鶫文佳さん» お待たせいたしました!!其の7にてアップさせて頂きました!ご確認よろしくお願いいたします! (2016年12月9日 18時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ふうかさん» お待たせいたしました!先刻其の7にてアップ完了致しましたのでご確認くださいませ! (2016年12月8日 23時) (レス) id: 2bc1ed36c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/
作成日時:2016年10月28日 21時