無邪気な彼女【ラムネ様リクエスト:首領の姪っ子に想いを寄せる中也】 ページ18
「中也君に護衛を頼みたい人物がいる」
そう首領に紹介されたのは、一人の少女。
ふっくらと幼さを残す頬の輪郭からして十代後半だろう。
『流華です』
ぺこり、と頭を下げる所作から、良家の子女という印象を受けた。
「私の姪なのだよ。長く海外で暮らしていたが、この度ヨコハマに帰国した。
守ってもらえるね?」
云われて面差しを見れば、確かに首領に少し似ている。
中也は表情を引き締めて、「御意」と一言だけ返した。
※
護衛。貰った任務は確かにそのはずだ。
だが、現状はどうだろう。
此れは、明らかに…荷物持ちだ。
中也はため息を一つ。
『中也さん!早く!』
ぶんぶん、と手を振り回す。海が見える!と歓声を上げているのが、なんだか子供っぽくて。
軽く階段を上がって隣に並ぶ。
「手前ェ、向こうで海見なかったのかよ」
『見ましたけど、此処とは色が違います!』
何やら力説しだした。
そんな必死な姿が可愛くて。
『わ!クレープ屋さんですよ!』
「へいへい買ってやるから注文しろ」
両手を上げて喜ぶ素直なところが、少し新鮮で。
――護衛任務3日目で、惚れたのだという現実から目が逸らせなくなった。
「ったく」
人の気も知らないで。遊び疲れたのか、流華は中也の肩に身を委ねて眠っている。
首領の姪じゃなかったら取って食う処だ。
「ま、仮定の話だがなァ」
現実。彼女は首領の姪だ。
云うなりゃ、召使の分際で雇い主の親族に惚れた訳だ。…救いがない。
※
そんな中也の葛藤もお構いなしに流華はいつも無邪気だった。
耐えきれなくなって抱き寄せたのが任務開始1週間目。
流華が『好き』と云ってくれたのが任務開始2週間目。
『中也!此れは叔父に報告すべきですよ!』
「いや…其れは…」
護衛に付けた部下が一番危険でした、なんて。如何報告するンだ!?
冷や汗を流す中也の手を握って流華は、何時も通り無邪気に笑ってみせた。
――――
リクエストを頂きました。
ラムネ様誠にありがとうございます!
このようなモノでよろしかったでしょうか?
可能であれば感想をお願いいたします。
2016年11月11日ちょこ
中原先生と校閲さん【青紫様リクエスト:現パロ、作家中也と校閲夢主】→←吸血輝譚【ふうか様リクエスト:吸血鬼シリーズ続編】
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ちょこ(プロフ) - パピルスさん» お待たせしました!先刻其の11にてアップ完了いたしましたのでご確認お願い致します。 (2017年10月29日 22時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - パピルスさん» お久しぶりです!!お返事遅くなり申し訳ありません!!(;´・ω・)リクエスト誠にありがとうございます!!10/27-29日頃アップにて書かせて頂きます!少々お待ちくださいませ! (2017年10月26日 0時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
パピルス - 記憶の雨の続編をリクエスト宜しいでしょうか。何年か過ぎて生まれ変わった2人を書いて頂きたいです!記憶は全くないけど何処か知っているような感じで惹かれ合うお話を書いて頂きたいです!お願いします(人´∀`*) (2017年10月23日 23時) (レス) id: 8aa7434c54 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 黒鶫文佳さん» お待たせいたしました!!其の7にてアップさせて頂きました!ご確認よろしくお願いいたします! (2016年12月9日 18時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ふうかさん» お待たせいたしました!先刻其の7にてアップ完了致しましたのでご確認くださいませ! (2016年12月8日 23時) (レス) id: 2bc1ed36c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/
作成日時:2016年10月28日 21時