【文スト】【文豪ストレイドッグス】短編集【中原中也詰め】其の6

被加虐愛染 【ふらり火様リクエスト:被加虐情愛続編】 ページ13

板張りの硬い床の上。



「く…あ…」



流華の唇から苦し気に吐息が漏れる。

仰向けのまま、手足を胴の後ろに組んで。

今、彼女の肺には重力が重く圧し掛かっている。



「どうだァ？」



彼女の瞳が彼を見る。



「もっと…欲しいか？」



問えば、流華はこくりと頷く。

つ、とその頬に触れた中也の指先が重力を操る。

更に重く流華の胸部を圧迫する見えざる力。



苦しいのだろう。肩が、指先が跳ねている。

短く、途切れるような呼吸が何処か艶めかしく。

酸素の乏しさに虚ろに潤む瞳が、何処までも甘い。



その様に、中也は舌なめずりを一つ。うっとりと、微笑む。



被虐者と加虐者。

二人の恋愛を歪んでいると云う者も多い。



だが、中也も流華も此れで良いと思っている。

何故なら狂っていようが、ここには愛があるのだから。



すぅ、と重力を引く。

何度か咳き込んだ彼女の喉頸に噛り付く。



「良い様だなァ、流華」

『中也…』



未だ荒い息を繰り返す彼女の顎を掴んで口付ける。

素直に差し出された舌に歯を立てると、彼女の瞳が嬉しそうに笑む。



『あ…もっと』

「このド変態」



ぐつぐつと、腹の底からせり上がるような欲を感じる。



「ほら、もっとちゃんと強請ってみせろ」



その言葉に、流華は床に額づくように中也の脚に唇を寄せる。

先ほどの重力のせいでまだ手足が痺れているのか、酷く不格好。

それさえ気にせずに、自分を求める流華の姿に、中也は敵を屠る以上の興奮を覚える。



『中也…どうか、家畜以下の私に…快楽を恵んで…』



熱を孕んだ瞳が、中也の青を見上げる。

口付けを受けた足の甲で彼女の顎を掬い上げる。



「可愛がってやるよ、流華」



乱暴に髪を引いて彼女を立たせて、中也も熱に浮かされたように笑った。



―――

リクエストを頂きました。
ふらり火様誠にありがとうございます！
このようなモノでよろしかったでしょうか？
可能であれば感想をお願いいたします。

2016年11月6日ちょこ

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