学生逢引【パピルス様リクエスト:学生生活続編】 ページ16
週末。
いつも朝が弱い人間でもデートの日くらいは頑張れるもの。
流華も朝から起きて気合十分。
『よし』
髪型の最終チェックを終えて、一つ頷く。
その時。携帯が震えた。
≪悪ィ、ちょっと早く着きそう≫
中也からのそんなメッセージに胸が躍る。
≪私も早く出れるよ≫
返信して、鞄を持った。瞬間、玄関の呼び鈴が鳴る。
『はぁい!!』
「…悪ィ、早く着き過ぎた」
バツが悪そうに、頬を掻く中也。
『楽しみだった?』
「…悪いかよ」
『私も楽しみで早く準備出来ちゃった』
なんだか照れくさくてまごつく。
そんな流華の手を、無言のままの中也がそっと繋ぐ。
「行くぞ」
ぶっきら棒な言葉と、逸らした視線。
でも、真っ赤な耳が、中也も照れているのだと教えていた。
※
電車に揺られて、辿り着いた市街地。
『うわ、人いっぱい!』
「今日、休みだからな」
ずっと繋いだままの手。
きゅっと、握ると、痛い位の力で返された。
「ほら、此方だ。はぐれンじゃねェぞ」
『うん!』
中也に引っ張られるみたいに、流華はちょこまか後ろを付いて歩く。
それに、気づいたのか。彼の歩調が少し緩む。
『…ありがとう』
「あ?」
『ううん』
並んで歩く。照れくさいけど、幸せで。
『本当、中也恰好いいよね』
「そうかよ」
赤い顔で苦笑するのが、本当に、似合う。
「…あ、アレだ」
流華が俯いたのを誤解したのか中也の声が慌てる。
「…手前ェは…可愛い」
ぼそ、と云われて。
それがあんまり嬉しくて
思わず彼の胸に飛び込む。
『…莫迦。イケメンかこのやろう』
「…お、おう」
ぎこちなく、背に回された手が暖かい。
「なァ。流華」
『ん?』
呼ばれて顔を上げる。
そっと。額に触れた湿った柔らかさ。
驚いて見開いた眼。
近すぎて。ぼやける肌色。中也の喉。
「好き」
赤い顔で見下ろす彼に、流華はうっかり卒倒しかけた。
――――
リクエストを頂きました。
パピルス様誠にありがとうございます!
このようなモノでよろしかったでしょうか?
可能であれば感想をお願いいたします。
2016年11月9日ちょこ
吸血輝譚【ふうか様リクエスト:吸血鬼シリーズ続編】→←silent 【ありす様リクエスト:人魚夢主】
122人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょこ(プロフ) - パピルスさん» お待たせしました!先刻其の11にてアップ完了いたしましたのでご確認お願い致します。 (2017年10月29日 22時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - パピルスさん» お久しぶりです!!お返事遅くなり申し訳ありません!!(;´・ω・)リクエスト誠にありがとうございます!!10/27-29日頃アップにて書かせて頂きます!少々お待ちくださいませ! (2017年10月26日 0時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
パピルス - 記憶の雨の続編をリクエスト宜しいでしょうか。何年か過ぎて生まれ変わった2人を書いて頂きたいです!記憶は全くないけど何処か知っているような感じで惹かれ合うお話を書いて頂きたいです!お願いします(人´∀`*) (2017年10月23日 23時) (レス) id: 8aa7434c54 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 黒鶫文佳さん» お待たせいたしました!!其の7にてアップさせて頂きました!ご確認よろしくお願いいたします! (2016年12月9日 18時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ふうかさん» お待たせいたしました!先刻其の7にてアップ完了致しましたのでご確認くださいませ! (2016年12月8日 23時) (レス) id: 2bc1ed36c3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちょこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/
作成日時:2016年10月28日 21時