第4話 ページ6
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一方、Aはハッサク先生と別れた後、一度家に戻っていた。
先程のハッサク先生との話で、授業見学と自身の講義受講以外はなるべく各地で生徒たちの様子を見回ってくるようにと指示を受けたため、リュックに長期外出の荷物を詰めに来たのだ。
すると、ピンポーン、とチャイムが鳴った。マンションのエントランスに誰か来たのだ。
モニターを見てみると、見慣れた緑の長髪が映っていた。
「はーい」
《まいどー!チリちゃんやで!おはようさーん》
「チリ姉さんいらっしゃい!今開けるね」
エントランスのロックを解除して数分後、玄関のチャイムが鳴った。
《チリちゃんが来たでー!開けてや〜》
「はーい、ちょっと待ってね」
玄関を開けると、「おはよーさん!」と快活に笑うチリの姿があった。
コガネ弁が特徴のこのチリという人物は、実はパルデア地方のポケモンリーグの四天王、そして面接官を務めるすごい人物である。
「チュロス買うてきたで〜」
「わ、ありがとう!」
テーブルシティのチュロス店、「チュロスにチュッ!」のチュロスはAもよく食べているので普通に嬉しい。
「ん、なんやなんや、荷造り中だったん?」
チリが床に散らかっている荷物を見て聞いてくる。
「うん、今回の『宝探し』期間は私も各地に足を延ばすことになったから」
「そうなんか。ってことは……」
「?」
「いつでも一緒にお出かけできるってわけやな!」
チリの表情がパッと輝いた。
「いやー前回はアカデミーにお篭り勉強ラッシュやったやん?もーチリちゃん寂しくて寂しくて」
「あ、そういえばずっとそれ言ってたよね」
「まあ、Aが
「うん」
「やー、懐かしいなあ。もう4年以上前か?最初に会ったん……」
チリとAが出会ったのは、Aが15歳の時のこと。
良く晴れた、パルデアらしい天気の日だった。
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作者名:リトルポム | 作成日時:2022年12月17日 1時