第28話【回想3-3】 ページ42
.
「シャル、いい感じだよ！」
戦ってくれるパートナーに声をかけると、こちらを見て一声応えてくれる。
「そのままでんこうせっか！」
先制技でんこうせっかでまずはマメバッタの撃破に成功。
続いて繰り出されたのはタマンチュラだ。
「じゃあ一旦シャルはお休みで。ウパー、行っておいで！」
チリと一緒に捕まえたパルデアのウパーを出してみる。
(多分、シャルが弱点技を受けても大丈夫だったレベルってことは、進化前のウパーでも互角の勝負はできるはず！)
「タマンチュラ、むしくい！」
「ウパー、ポイズンテール！」
今度はカエデのタマンチュラの方が素早かったが、お互いのダメージの様子を見るに、ダメージレースはこちらが有利か。
予想通り、3回ほど撃ち合いをした後、倒れたのはタマンチュラの方だった。
「ウパー、しっかり戦えてるよ！」
「あらあら強いんですね〜。ではこの子で行きますよ〜」
カエデが繰り出したのは、なぜかノーマルタイプのヒメグマだった。
「ヒメグマ……？カエデさんむしタイプを使うんじゃ……」
良くわからない状況なので、もう一度様子見ができるグレイシアに交代する。
するとカエデが張り切ってこう言うのだ。
「サナギを破り、強く大きく育ちましょう〜！」
そうして取り出したのはテラスタルオーブ。
キラキラと輝くオーラを吸収し、その力がオーブからヒメグマへ。
(そうか、テラスタルはポケモンのタイプを変えることもできるんだった！)
Aは課外授業前、上級生に交じってテラスタルの特別授業を受けていた。
バトル学での成績が良く、教科担当の先生から特別授業へ推薦してもらえたのだ。
その時に、念願のテラスタルについてのあれやこれをみっちり学習したため、テラスタルの基礎知識はばっちりだ。
そして授業内試験に合格し、手続きを踏んだAも、カエデと同じように持っているのだ。
「……シャル、実戦では初めてだけど、行けるよね？」
コクリと頷いてくれたパートナーに向けて、それを翳す。
「世界で一番煌めいて！シャル、テラスタル！」
受け取って間もない、新品のテラスタルオーブを。
テラスタルの力による風がAの髪をはためかせる。
十分に力を溜めたテラスタルオーブをグレイシアに向かって投げれば、彼女の姿が美しく結晶化する。
雪の結晶を冠したその姿は、Aがずっと憧れてきた輝きを持っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 238人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リトルポム | 作成日時：2022年12月17日 1時
