第27話【回想3-2】 ページ41
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課外授業の前に、チリからもらったアドバイス。
「Aのことだから、ポケモン勝負の場では相手のポケモンに有利なタイプのポケモン・わざで戦うのが定石、というのはもう十分理解しとるやろ」
「うん」
「ただし、相手のポケモンに有利なポケモンがこちらの手持ちにいない……ってことも起こりうる。特に手持ちが少ない初心者は尚更や」
「あ、確かに……」
「そういう場合に役立つのが、ポケモンの基本能力の強さと得意不得意の理解や」
「詳しく聞かせて！」
「基本的に、ポケモンは進化した後の方が強いと思ってええ。基本能力が底上げされるからな。それと、ポケモンとしての個性も際立ってくる」
「個性……」
「すばやさに特化したポケモン、体力オバケのポケモン、物理防御や特殊防御に特化して攻撃性能は低めのポケモン、逆に爆発的な火力を持つ反面打たれ弱いポケモン……」
「それが得意不得意？」
「そーゆーことや。つまり、手持ちが揃っとらん時期に有利を取れないと思ったら、まずは手持ちの中ですでに進化している子を出して様子を見てみるんや。そんで」
「様子見をするなら、できれば打たれ強い子……？」
「さすがA、理解早いな！そうやなあ、しばらくはグレイシアを様子見要員にしてみるとええ」
「そっか、シャルは進化後のポケモンだから、基本能力が高いんだ」
「打たれ弱いポケモンってわけでもないしな。ちなみにグレイシアは特殊攻撃が得意な子やから覚えとき」
「うん、わかった」
(そうだ、まずは能力が高いシャルで様子見だった！)
それを思い出したのとほぼ同時に、カエデが先発のポケモンを繰り出した。
「マメバッタ……だっけ。よーし、行っておいで、シャル！」
愛らしい声を響かせて、グレイシアが初めての公式戦フィールドに下り立つ。
「あらあら〜、可愛いグレイシアですね〜。では行きますよ〜、マメバッタ、にどげり！」
「シャル、こごえるかぜ！」
イーブイがグレイシアに進化すると、こおりタイプ中堅どころの特殊技「こごえるかぜ」を覚えることができる。
すっかり十八番になったこごえるかぜは、マメバッタが攻撃してくる前にヒットした。
マメバッタはすっかりフラフラだ。
一方グレイシアは効果抜群のかくとう技を受けたがそこまで大きなダメージではなかったようだ。
(やっぱり進化後のグレイシアだからだ！)
進化の偉大さを実感したAである。
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作者名：リトルポム | 作成日時：2022年12月17日 1時
