第26話【回想3】 ページ40
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「ここがセルクルジム……!」
アカデミー入学後初めての課外授業。
道中ポケモンと戦いながら、Aはようやく第一のジム・セルクルジムに到着した。
「うう、緊張するー……」
ジムに入って受付を済ませるとなぜか外に出てアトラクションをする羽目になり、頭の上に「?」を浮かべながら歩いていた記憶がある。
説明を受けた「オリーブころがし」は地域特有の風習ということで、基礎体力の試験という意味でも、パルデアという世界のことを学んでいくという意味でも、非常に良いテーマのジムテストなのだろう。
しかしAがこんなアトラクションをスイスイできるわけもなく。
「ああぁぁぁ待って待ってそっち行かないでぇぇぇ!!」
「うわぁぁぁコントロールできないぃぃぃ!」
このありさまである。
20分後、Aは巨大オリーブ(を模した楕円の球)をルートのあっちこっちに吹っ飛ばしてしまいながらも、なんとかゴールのカゴに入れることに成功。
そうして、カエデとの戦闘に臨むことになるのである。
セルクルタウン、ジム戦フィールドにて。
「じ、ジムリーダーさんってどんな人なんだろう……」
コワモテの屈強な男性とかだったらどうしよう、なんて心配していたAは、やってきたのが優しそうなパティシエールだったので拍子抜けだった。
「ジムチャレンジャーさんですね〜」
「は、はいっ」
「緊張しなくて大丈夫ですよ〜。私、パティスリー ムクロジで店長をしているカエデといいます〜」
「か、カエデさん……パティシエールとジムリーダー両方してるんですか?」
「そうですよ〜。パルデアのジムリーダーは基本的に何らかの本業の傍らジムリーダーをしているんですよ〜」
ということは、今後ジムリーダーと戦っていけば、それだけたくさんの職業にも出会うことになる。
オモダカが言っていたように学びながら将来の道を探す、ということには、やはりジム巡りは合っているのかもしれない。
「それじゃあそろそろ始めましょうか〜。私のむしポケモンと戦ってくれるアナタのポケモンがとても楽しみです〜」
(カエデさん、むしタイプを使う人なんだ、どうしよう!)
現時点でのAの手持ちは、グレイシア、ニャオハ、パルデアのウパー(先日チリと一緒に捕まえた)。
どの子もむしタイプに効果抜群のわざを覚えていないのだ。
(えーと、こういう場合は……チリ姉さんなんて言ってたっけ……!?)
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作者名:リトルポム | 作成日時:2022年12月17日 1時