第17話【回想その2-6】 ページ22
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良いことを思いついたと言わんばかりのAに、チリとオモダカが少々小首を傾げた。
「シャルー、起きてたらこっちおいで!」
Aの声を聞きつけて、グレイシアがトコトコとこちらにやってきた。
それを見てオモダカが「あら」と感嘆の声を上げた。
「綺麗に整えられた素敵なグレイシアですね。Aさんのポケモンですか?」
「私のというか、元はママからもらったイーブイだったんです」
「そうでしたか」
グレイシアは少々寝ぼけているのか、時折目をしぱしぱとやっていた。
が、見たことないポケモンが3匹もいることに気付くや否やばっちり目が覚めたようである。
「シャル、私この子たちの中から1匹もらえるんだって!シャルはどの子と仲良くなりたい?」
Aの問いかけを受けてグレイシアが3匹の前を行ったり来たりしているのを見ながら、オモダカが「あの子はシャルというのですか」とAに話しかける。
「名前はシャルロットで、愛称がシャルです」
「なるほど。名前から察するに、女の子なのですか?」
「そうです!」
しばらくして、グレイシアがAのズボンの裾をクイクイと引っ張った。
「決まった?」
グレイシアがAを引っ張っていったのは、ニャオハの前だった。
「ニャオハかあ」
「あら、そのニャオハはこの3匹の中で唯一メスの個体なんですよ」
「そうなんですか?」
「えっ結構珍しいやん!?」
チリがオモダカの隣で仰天している。
「この子らがメスで生まれる確率って12%くらいって聞いてるで」
「そうですね。シャルロットさんは同性のお友達が欲しかったのでしょう。Aさん、どうしますか?」
「私はどの子でも歓迎ですし、シャルがいいのなら」
「では決まりですね。Aさん、ニャオハをよろしくお願いいたしますね」
「はい!」
ニャオハのボールを受け取ると、なんだか一歩成長したような気がして嬉しくなる。
「よーし、そうと決まれば今日は野外授業や!チリちゃんの相棒と一緒にレッツピクニック!」
「あら、いいですね。今日は天気もいいですし」
「ポケモントレーナーになるならピクニックも覚えておかんとな〜」
こうして手持ちのポケモンにニャオハが加わった。
先日指定の制服も買ってあるので入学準備はばっちり、後はいよいよ入学当日を待つばかりである。
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作者名:リトルポム | 作成日時:2022年12月17日 1時