第16話【回想その2-5】 ページ21
.
「グレープアカデミーが名門と呼ばれる所以は、ポケモントレーナー養成でも名高いことが一つの要因です。その点で、非常に良い刺激となる制度になると確信していますよ」
オモダカがニッコリと笑い、「詳細が決まったらお手紙出しますね」と締めくくった。
こうしてオモダカとイヌガヤ校長との面談は終了。
数日後、Aのもとに正式に「奨学生制度 第0.5期生合格のお知らせ」が届いたのであった。
Aの事例で1年間試運転をし、本格的な募集はその次の年度からだそうである。
そして奨学生制度制定の都合上、Aは次の一斉入学のタイミングでの入学となったため、1ヶ月ほど空き時間ができることになった。
「というわけでチリちゃんが講義に来たでー！！」
意気揚々と訪ねてきたのはお馴染みチリである。
「せっかくなら基礎の基礎のところは身につけてからアカデミー行った方がええよ〜」
「そっかー……」
こうしてAは入学までの1ヶ月、
・タイプ相性
・進化について
・ポケモンの能力の基礎知識
・わざの基礎知識
をチリに講義してもらい、なんとか「腕のいいポケモントレーナーを目指して入学してくる生徒」くらいの常識は持ち合わせることができた。
そしていよいよ、忘れもしない、ニャオハとの出会いの日がやってくるのである。
「こんにちはAさん。今日もチリと一緒にお勉強なんですね」
入学を翌々日に控えたある日、チリと一緒にやってきたのはオモダカだった。
「こ、こんにちは。オモダカさんは今日はどうして……？」
「ふふふ、朗報です。入学時にお渡しするポケモンを選んでいただきますよ」
「入学時に？1年生はみんなもらうんですか？」
「ええ。初心者向けの3匹の中から1匹選んでもらっているのです」
「そうですか……あ、玄関にいるのもなんなので中どうぞ」
二人を招き入れると、オモダカは早速鞄からモンスターボールを3つ取り出した。
ぽん、と投げればポケモンたちが飛び出てくる。
「緑色のポケモンがくさタイプのニャオハ。赤いポケモンがほのおタイプのホゲータ。白と水色のポケモンがみずタイプのクワッスです」
「わー……」
「どの子も非常に人懐っこいポケモンです」
ポケモンたちは期待に満ちた目でこちらを見つめている。
「えーと……」
迷っていると、ベッドの方から聞き慣れた愛らしい鳴き声がした。
お昼寝をしていたグレイシアが目を覚ましたようだ。
「……あ、そうだ！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 238人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リトルポム | 作成日時：2022年12月17日 1時
