第14話【回想その2-3】 ページ19
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「せやから今度出勤した時に掛け合ってみる。何とか負担軽減してアカデミー通えるように、チリちゃん頑張ったるで！」
「チリ姉さん……」
感激に胸の中にじわーっと熱いものが広がる感覚がする。
「進展あったらまた知らせるな！」
「うん、お願いします」
そして、その三日後にチリが持ってきた返答が、
「トップが『一度面談させてほしい』って言うてたで！」
だった。
「ようこそAさん、お待ちしておりましたよ」
数日後、Aはチリに連れられて、グレープアカデミーの校長室にお邪魔していた。
豊かなロングヘアの美しい女性がこちらにニコリと微笑んで歓迎の意を述べてくれる。
「
「どうも、校長のイヌガヤです」
眼鏡をかけた50代くらいのこの男性が、校長先生らしい。
オモダカが話を続ける。
「チリからあなたについて相談を受けました。学費を保証できる保護者さんがおられないと……」
「は、はい」
「意欲ある志望者はアカデミーとしてもなるべく受け入れたいと思っています。そこで、本日はAさんと面談させていただきまして、どのような形を取るのかを決めたいと思います」
「アカデミーで特別措置を取ってまで受け入れる価値が双方にあるのか……というところです」
イヌガヤの言葉にチリが「ちょ、その言い方は……！」と憤りかけるが、オモダカの「チリ、落ち着いてください」という言葉で踏みとどまる。
「これはAさんのためでもあるのですよ」
「Aのため……？」
「事情があるとはいえ、学費に関して特別措置を取るということは周囲の反感を買う可能性が否めない。前例が無いのなら尚更です」
「……！」
「ですから、対応は慎重に決める必要があります。Aさんが負担なく修学でき、なおかつ周囲から僻まれることがないような策を取らねばなりません」
「……早とちりしてすんません」
「いいのですよ。友人を大切に思うことは尊いことですしね」
そんなオモダカの主導で、一旦チリは退室となり、Aの面談が始まった。
なぜアカデミーへの入学を希望しているのか、アカデミーに入って何がしたいのか、何を達成したいのか。
あるいは現時点でのポケモンの知識、パルデア地方特有の文化の認識度。
実に様々なことを質問されたが、印象的だった質問はこうだ。
「Aさんは将来何になりたいですか？」
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作者名：リトルポム | 作成日時：2022年12月17日 1時
