59話 ページ16
見張りの人達の前に飛び出していく前に、太宰さんに尋ねた。
「見張りの黒服さん達、今まで私達の事無視してたし、案外通してくれたりしませんかね?」
そう言うと、太宰さんはどうだろう、と言った。
「出入り口をずっとこうやって見張ってるのなら、入って来た人間のことくらい覚えてるんじゃない?
私はともかく…ポートマフィア内に君みたいな小さい子は珍しいし彼らの印象に大きく残っている可能性大だよ。」
まぁ確かにマフィアとかいう物騒な組織にこんな小さな幼児はいないから、流石に怪しまれるか…。
「だから強行突破ですか?」
「そういうこと。」
「流石武装探偵社ですね。」
まぁ仕方ない。確かに侵入者と分かってる相手に対して、たとえ幼児であったとしてもマフィアの人間が、穏便にすませよう、とは行かないかも知れないしね…。
そう、ここから出るため。
「じゃあ、行って参ります。」
今思ったんだけど、太宰さんが一応大人なんだし、普通太宰さんが行くべきでは?と思ったのだが…。それ言ったらどうせまた「中身十八歳の君が何言ってるんだ」とか言ってくるんだろうな。幼児扱いしたり十八歳扱いしたり…。
そんなこと考えながら私はマントからナイフを二本取り出した。
「あ、怪我とかさせちゃって大丈夫なんでしょうか。」
「大丈夫じゃない?マフィアだし。」
そだね。マフィアだもんね。
…毒飲ませようとしてたのに今更だけど。
それを確認した上で私は見張りの人の元へ斬りかかりに行く。
最初に私を見つけた奴が騒ぐ前に背後に回り込んで、頑張ってジャンプ、ナイフの柄で首の裏にフルスイング。
んでその最初の奴が倒れた音で気付いた数名を相手するんだけど…。
「ナイフって刃物ですから加減が難しいんですよね…。」
身長低いのもプラスして、必然的に足を斬るみたいな感じになっちゃう。
どうしよっかなぁ…。
物陰から見守ってた太宰さんに向かって叫ぶ。
「足刺すのおっけーですか?これ叫んでる間もみるみる黒服さん近づいてきてるから早めの返答を要求しますー!ナイフって手加減難しいんですよ!」
太宰さんからこれまたの適当な答えが帰ってくる。
「殺さなきゃ大丈夫だと思うよー!」
じゃあ足刺してもいいんだね?
「許してくださいよ?名前も知らない黒服さん達。私、ちゃんとした理由が無ければ人を傷つけたりするのは嫌いなんですが、今回は私の探偵社への帰還がかかってるので…。」
そう言いながら私はマントから黒服さん達人数分ナイフを取り出した。
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あーちゃん(プロフ) - 78話のヒロイン達のお話の題名はどのような題名なのですか? (2019年6月12日 0時) (レス) id: 32e2eab4af (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ麻呂(とよ)(プロフ) - 今更ですが、女医で、せんせいと読む事にしておいて下さい…。 (2019年3月1日 11時) (レス) id: 06dfc878d9 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ麻呂(とよ)(プロフ) - 鼠ちんさん» なるほど…。今後夢主ちゃんに毒を使わせるときはそうさせていただきます!調べて頂き、ありがとうございます! (2019年2月26日 20時) (レス) id: 06dfc878d9 (このIDを非表示/違反報告)
鼠ちん(プロフ) - 調べました所トリカブトに含まれる毒性物質の致死量は2~6mgだそうで、トリカブトが4mgでもこれだけの量が含まれている事が多いのでそこまで薄めることは専用の機材でもない限り不可能かと思いますの体重1kgに対し0.3mgの鈴蘭はいかがです?いや猛毒には変わりないですが (2019年2月26日 20時) (レス) id: 1616c0402d (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ麻呂(とよ)(プロフ) - 今回の様によく知らないくせに使ってる…みたいな所がございましたら、どうぞ現実的なツッコミをいれてくだされば…。 (2019年2月26日 17時) (レス) id: 06dfc878d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましゅ麻呂(とよ) | 作成日時:2019年2月22日 19時