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第三十七回 ページ38

貴『監督、浅間です』


コンコン、とノックすると中から「入れ」と監督の声がしたのでガチャ、と扉を開ける。


監督はA以外にも選手たちがいた事に少し驚きながら座れ、とソファを指さした。


思い出す。数週間前の入部相談の時を。


貴『たった数週間前、か…』



そう呟いたあと、監督は口を開いた。


監「まず、頭の怪我だが…幸い大事には至っておらず治るのには1週間はいるらしい。


問題はその右肩だ。


浅間。ちょっと右手上げてみろ。」



貴『……っ』



言われた通り上げようとするもズキ、という鈍い痛みと共に平行以上に腕は上がらなかった。


腕を回そうとしても痛くてできない。


監「…これが現状だ。


そして左肘。」


こっちはわかる。


何せ中学時代の古傷だから。



監「…これ以上、選手として続ける事は不可能に近い。」


その言葉に後ろに立つ仲間たちはザワつく。


栄「そ、そんな、何でそんな事いうんすか!!」


春「栄純くん!…現実だよ…」


伊「浅間に危害を加えたあの1年キャッチャー、退部したって本当っすか?」



貴『え!?』



監督を見ると静かに頷いた。


監「「羨ましかった」とあいつは言っていた。


それに、浅間の事は故意に殴った訳ではなく、本当に不慮のプレー中の事故だったのもわかった。」



貴『羨ましかった…って…』



結「レギュラーになりたいのは誰だって同じ。

その中で自分より実力があるお前に闘争心を燃やしていたんじゃないか?

練習妨害に怪我…やった事は許せないが、それ程あいつにとってお前は越えるべき壁だったんだろう。」



貴『…』



逃げてばかりいた。


逃げないようにしてた。


ただ、



貴『あの人は…私を見てくれてたって事ですね…』



逃げないように、諦めない、負けないって



自分勝手な目標ばかりに突っ込んでた自分を



ライバルとして。




監「…ここからが本題だ浅間」



貴『…はい』



監「お前のその体は、もう野球をしていい体じゃない。



その上で、聞いてほしい。」

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にゃん丸(プロフ) - 亮介さん大好き❣️更新が止まっているのが悲しいほど。どうか更新を再開してください。 (2021年12月17日 12時) (レス) @page48 id: 07285a2235 (このIDを非表示/違反報告)
紅麗亜 - とても面白かったです!更新停止しているのが悲しいです。もし、更新予定がありましたら、頑張ってください! (2019年10月13日 22時) (レス) id: 6a43e91660 (このIDを非表示/違反報告)
天野桃介 - ルキさん» うわ〜!嬉しいです!!思いつきで私の中の亮さん達を動かしてるだけなので面白いと言ってくれて嬉しいです!!ありがとうございます!! (2019年5月19日 20時) (レス) id: 3cfbb38bf1 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ - 面白いです!!毎回更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2019年5月19日 17時) (レス) id: 3d615f265d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天野桃介 | 作成日時:2019年5月14日 17時

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