私がエース！【小湊亮介】

第二十九回 ページ30

数分前。


伊「監督からお願いってなんすか？」



集められたレギュラー陣の前に立って監督は静かに言った。


監「1年の浅間A。お前らはどう思う。」


その問に皆は顔を見合わせた。


結「…自分は一部員として見ています。さっきの練習もそうですが、自主練にも毎度顔を出しては自分や他のものに指導を求めていたりするがむしゃらな姿を見てきました。

まだ数週間ですが、高めあえる仲間だと思います。」


キャプテンの言葉に周りは沈黙で肯定を表した。


伊「女だけど練習にも食らいついてきてるし、邪魔にはなってねぇと思いますけど」


亮「…1年同士の関係についてですか？」



監督は「あぁ」としばらく黙った後口にする。


監「どんな理由があろうと贔屓はしない。その条件の元、入部を許可したが最近の浅間をお前らはよく見ているか？

どう考えても怪我が多すぎる。

バカにされても陰口を叩かれても食らいつけると俺に言ったぐらい強いやつだ。

だが、これ以上は大きな怪我になりかねない…


だから、大会前ではあるがお前達に…」



春乃「監督！！！」


監督の話の途中で、1年生マネージャーの吉川春乃が走ってきた。


とても真剣な顔で。



監「どうした」



春乃「1年の…っ、Aちゃんが、






男子に暴力とも取れるプレーで頭に怪我を…！！！」



監「…！！！！！！」

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