第二十回 ページ21
友達「もういいよ、A。十分頑張ったって…」
炎天下。ズキズキと痛むは右足。
友達「大丈夫だよ…」
好きだからこそ。本気だからこそ。
諦めたくなんてない。逃げたくなんてない。
私が強くないと、ペアに迷惑かけるだけ。
なのに…
審判「ツーバン!!ゲームセット!!」
私は逃げる道を選んだ。
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ピピピピピピ!!!
貴『…』
5時。アラームが鳴った。
5時半から野球部の朝練だ。
貴(…昨日、伊佐敷先輩と小湊先輩に指導もらって…栄純たちがお風呂空いたこと教えてくれて…
入って、寝ちゃったんだっけ…)
ふああぁ、と大きく欠伸をしてベッドから出る。
ユニフォームを取り出して袖を通すと、パリッと気持ちが切り替わる。
貴『おし!』
Aは軽く髪をとかしてからタオルを持ち、洗面所へと足早に部屋を後にした。
貴『あ』
洗面所に先に居たのは…
亮「おはよ。早いじゃん。」
亮介だった。
貴『ぅおはようございやす…』
亮「変な挨拶だね。」
昨日の事。
バッティングフォームを教わった時。
とんでもなく体が近かった。
それを今更意識してしまってギクシャクと体が固くなる。
蛇口をひねって手に水を溜める。
溜まったら思いっきり顔に当てて、それを何回か繰り返す。
貴『ふぃ…』
首にかけてたタオルを顔にあてて拭いていると、隣で亮介も顔を洗ってるところだった。
貴(何か変な感じ…)
鏡で髪を整えてると「あ」と隣で声がする。
貴『どうしました?』
亮「タオル忘れただけ」
貴『あ、…使っちゃいましたけどこれ使いますか?
反対の面だったら大丈夫だと…』
そう言うと「いいよ」と亮介は着ているユニフォームの襟口でグイッと顔を拭いた。
貴(…私もよくそれやった。)
そう考えてハッとする。
ブンブンと首を振ってバチン!と両頬を叩いた。
亮「なにしてんの?」
クスクス笑ってる亮介は「馬鹿じゃない?」と言ってくる。
亮「ていうか暇ならグラウンド整備してくんない?」
貴『私がですか!?』
亮「うん。昨日の夜少し雨が降ったみたいで水たまりあったから。
1年の役目だよ?」
そう言うと亮介はトコトコとその場を去っていった。
貴『早起きしてよかった…!』
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にゃん丸(プロフ) - 亮介さん大好き❣️更新が止まっているのが悲しいほど。どうか更新を再開してください。 (2021年12月17日 12時) (レス) @page48 id: 07285a2235 (このIDを非表示/違反報告)
紅麗亜 - とても面白かったです!更新停止しているのが悲しいです。もし、更新予定がありましたら、頑張ってください! (2019年10月13日 22時) (レス) id: 6a43e91660 (このIDを非表示/違反報告)
天野桃介 - ルキさん» うわ〜!嬉しいです!!思いつきで私の中の亮さん達を動かしてるだけなので面白いと言ってくれて嬉しいです!!ありがとうございます!! (2019年5月19日 20時) (レス) id: 3cfbb38bf1 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ - 面白いです!!毎回更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2019年5月19日 17時) (レス) id: 3d615f265d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天野桃介 | 作成日時:2019年5月14日 17時