私がエース！【小湊亮介】

第一回 ページ2

春の匂いと夏の匂いが混じりあった風が頬をかすめ、髪を揺らす。


監「これで入部希望者は全員か？」


綺麗に整列した新一年生たち。

憧れたグラウンドの土を踏みしめて。


全「「はいっ！！！」」


Aは青道高校野球部の一員となった。


ここに整列しているのは野球部新入部員。

目の前にいる監督に殆どの人が顔を強ばらせている。


もちろん、Aも例外ではない。


監「なら順番に自己紹介」


男「はい！！」


始まった。


わくわく。どきどき。


どんどん進んでいく自己紹介。強い学校から来てる人も沢山いる。


そしてAの位置する場所は2列目右側。

そばには上級生達が整列していて、一人一人を見ている。


Aは自然と口角が上がってしまっていた。



周りは背の高い男ばかり。



150cm代のAは見た目すらも埋もれてしまう。



なら。



監「次！」



目立つのみ！！！！




貴『はい！！！なるしみゃ中学出身！あしゃまA！！！』



その瞬間あらゆる場所から吹き出す音が聞こえた。

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