嘘【御幸一也】

嘘38（高校過去） ページ41

貴方side

あの日から洋一は変わった。



あまりみんなの前で話さなくなり、
私に触れてくることもなくなった。





デートへ行くこともなくなって、
何を考えているのか分からなくなった。








それでも…









貴「ねぇ、洋一？私のこと好き？」









そう聞けば









倉持「……ああ…好きだ…」









そう答えてくれるから、
まだ一緒にいてもいいんだって思えたんだ。









＊＊＊

月日が過ぎ、高校入学。



貴「洋一、私たち何組かなー」

倉持「あー、どーなんだろうな。
そういえば、お前に言うことあったわ」





貴「え？」

倉持「みんなの前では付き合ってることは
秘密な。呼び方も名字にしてくれ」








そういい放ち、
行ってしまう洋一の背中はとても遠くて
泣きそうになった







貴「何それ…」









いつになったら、
昔みたいに接してくれるのか








必死に涙を堪えて、
洋一を追いかけようとすると









？「あのー、大丈夫？君」




私の前には顔立ちが整った、
メガネの男子がいた。








貴「大丈夫です…」




？「そっか、俺1年の御幸一也。君は？」

貴「七瀬A」







そう言うとニカッと笑って

御幸「よろしくな」

と頭を撫でたこの男の子。









ずっと触れられてなかった寂しさが、
この男の子によって
少し救われたのは言うまでもなかった

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