四人目の主 ページ10
四人目の主は教祖様でした。
虹色の瞳を持つとても綺麗な少年でした。
私は宗教の教徒のふりをして使いをやっていました。
宗教の名前は万世極楽教という名前です。
教祖様は毎日涙を流し、宗教に来た人達の話を
聞いていました。
ですが、教祖様のその涙は神様なんていないのにという憐れみからでした。
教祖様自身、神様を信じていないのです。
そして教祖様は感情がありませんでした。
ですが、私はそうとは思いませんでした。
私と話す時だけは本物の笑顔で接して下さいました。
まぁ、最初の頃は嘘の笑顔でしたけどね…。
それに、憐れみから涙を流せることも感情があるからこそだと思うのです。
だから私は、感情が無いとは思いませんでした。
もし、そうなってしまった理由が有るとするなら、私は教祖様のご両親のせいだと思うのです
教祖様は、生まれた頃から神の子として崇め讃えられました。
ご両親も同じでした。
ご両親は教祖様に愛情を注ぐことが出来ていませんでした。
ご両親が教祖様に向けていたのはただの信仰心的なものです。
神の子としか見てないのです。
所詮、他の教徒と変わらないのです。
ですので私は、教祖様…彼自身を見てあげました
私は教祖様にたくさん話しかけ、愛情をできるだけ注ぎました。
そしたら、次第に感情を取り戻しました。
私はとても嬉しかったです。
あともう一つ感情がなくなってしまった理由があるとするなら、教祖様は生まれつき頭が良かったからだと思います。
ですから、自分にある感情を何かしら理由をつけて理論で閉じ込めてしまっていたのです。
まぁなんであれ、感情を徐々に取り戻せたので良かったですがね。
私は教祖様と楽しい毎日を過ごしておりました
ですが、ある日の事です。
教祖様のご両親は死んでしまいました。
普通は悲しみますが、教祖様はそうではありませんでした。
血を流す両親を見て、換気をしなくちゃ程度にしか思わなかったそうです。
感情を徐々に取り戻していた筈なのにおかしいと私は思いました。
私は、その時には教祖様があまりご両親を好きでおられなかったのかな?としか思いませんでした。
そんな私が馬鹿でした。
その日は葬式を済ませて一日が終わりました。
ある日の事、中々教祖様が帰ってこないなと思うと教祖様が頭に血を被って帰ってきました。
教祖様の気配は鬼に変わっていました。
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作者名:八仙花 | 作成日時:2020年6月29日 21時