ネモフィラは日盛を仰ぐ【NARUTO】ー下ー

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｢試験を受けて実力を上げる。中忍になる。それしとかないと、アンタ里やら世界やらを救ったあとはどうするつもり？｣
『……』


後。後なんて、あるはずがない。
私の役目はこの世界が終結するまで終わらない。そして終結すれば_________


『…そういえばそのこと忘れてた☆てへ☆』

｢笑って誤魔化さない！｣

『ｷﾞｬｯｯｯｯ』


ベチンと思い切りのいいデコピンをくらって唸りながら蹲る。火影様が軽く咳払いをして私の方に向き直った。


｢カカシは恐らく言わんじゃろうが…大事に思うが故に他人を遠ざけるカカシがお前を拒まんということは、それだけ心配が尽きないということじゃ。全てを識る者でも予言の子でもない、ただの(・・・)AAの心配をしておる。お主もそれは分かっておろう｣


火影様の瞳はじっとこちらを見ていた。私はその目から目をそらさなかった。彼はしばらく私の顔を眺めたあとふぅとため息を吐いた。


｢受け入れられなくても(・・・・・・・・・・)覚えておくのじゃ、A。お主が自分以外の他人に救いの手を差し伸べるのと同じで、カカシはお前のことを大事だと思っておる。その気持ちは踏み躙ってやるな。受け入れられないのはいい。じゃが無碍にするのは、お主としても本意ではあるまい？｣

『…、……はい。』


私の絞り出す様な返事に火影様はうむと頷いた。



｢…もう夜も更けじゃ、そろそろ解散とするか。ではA、明日の試験の健闘を祈っておるよ。｣



_________




翌朝。


『あﾞー……ねっっっっむ…』

｢二日酔いのおじさんみたいな声出さないでくれる？仮にも君女の子だろ｣

『仮じゃなくて正真正銘可愛いロリですが何か？』


いやマジで眠い。昨夜は結局寝れなかった。あんな話した後になんも考えず寝れるヤツだったらさすがにやばいとは思うけど。大欠伸をしながら重い頭を引きずるように歩く。しばらく歩くと大きな扉の前に着いた。


『…ここは？』

｢第2の試験を突破した受験生の集合場所。この後火影様から突破した子達に話があるはずだよ｣

『！』


そっか、ここ最終試験の予選会場じゃん。ということは、予定通り突破できていればナルトたちにも会えるはず。ぼやぼやしていた頭が一気に覚醒した。



『(さすがに第7班は突破してるよね…原作の展開が何もしないで変わることないだろうし…)』


どくりどくりと嫌な音を立てる心臓を鎮めるようにギィ、と目の前の扉を開く。

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