検索窓
今日:38 hit、昨日:35 hit、合計:69,117 hit

7 ページ7




それによって生まれた怪物がやがて本当に木ノ葉を壊滅に追い込むのを、私は知っている。


『過去は変えられない。でも未来は変えられます。敵は捕虜として捕まえ、事件が解決した後に丁重にお返しすれば良い。罰を与えるなら与えたらいい。…勿論自分を殺しにくる敵を捕まえるのは殺してしまうより難しい。わかってます。でもそれこそが、犠牲よりも必要な事だとは思いませんか』

「…」

『思わないと仰るなら、私はこの里に協力できません。どうしても情報が欲しいというのなら拷問でも山中一族の力でも使って私から強制的に引き出せばいい。』


ただ未来を変えるだけで救えるものと、救えないものがある。この世界に必要なのは根本的な意識の改革だ。初代火影がうちはマダラを殺してしまった時に出来上がった闇を消すには、そもそもの倫理観を改める必要がある。
普段は人のいい好々爺である3代目火影も、2代目や初代の意志を強く受け継いでいる。確かに火の意志も大事だが、それを貫くだけでは未来はない。


ドキドキと弾む心臓を抑えながら火影様の顔をじっと見つめると、彼はしばらく私の目を見つめていた。…ほんの少しの動揺の色がその目には見られたような気がした。やがて彼は深くため息を吐く。


「……確かに、Aの言う通りじゃな。ここで犠牲を生むのは得策ではない。未来ある孫や子の世代に遺恨を残すわけには行かぬ」

ざわ、と部屋の中に動揺が走る。酉面の暗部は慌てて三代目の前に跪き「失礼ながら」と切り出した。


「彼女の言う方法では里への被害が甚大なものになります。とても受け入れられません。やはり彼女は拘束して…」

「里を守るのが火影の役目じゃ。それは何も外敵を追い払うだけではない。次の世代を育み守ることも、ワシの…否、大人の役目というものじゃろう。今目の前にいる少女(こども)の訴えはお主もしかと聞いたはず。今そこにいるのが自分の娘や息子なら、お主は里の被害とどちらを優先する?」

「…それは」


暗部はぐっと言葉につまる。


『…私が無茶を言ってるのは百も承知です。ですがこちらには情報というアドバンテージがある。どこにどんな敵が来るか分かってさえいれば、追い払うのも捕まえるのもできない話ではない…と忍としてはぺーぺーでちんちくりんの私は思うんですけど、テンゾウさんどう思います?』

「そこで僕に振るの?……、…まあ、できないことは無いし里への被害も戦うよりは抑えられると思う、けど…」

8→←6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (164 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
363人がお気に入り
設定タグ:NARUTO , はたけカカシ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぱーぷる姫(プロフ) - 6時間ぶっ続けで読み続けました。どうかハッピエンドに! (7月5日 6時) (レス) @page44 id: 4d7ac923b9 (このIDを非表示/違反報告)
夢優(プロフ) - 初コメ失礼致します。陰ながらずっと応援しておりました。同じくカカシ先生が好きな一人です。更新される毎に面白く、次のお話が楽しみでいます。今後の展開楽しみです。Twitterの方にフォロー申請させて頂きました。これからも応援しております。 (2022年8月19日 12時) (レス) id: 8b891f9a28 (このIDを非表示/違反報告)
Luna - 1作品目から秒で読み終わってしまった、、楽しみにしてます! (2022年8月1日 23時) (レス) @page47 id: c3b541dbab (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新嬉しいです!やっぱりこれは神作品 いつまでも応援しています!! (2022年7月6日 0時) (レス) @page44 id: ef698603e3 (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - あああああああああああああおわってしまったぁぁぁぁぁぁあ (2022年6月20日 3時) (レス) @page40 id: 9e745c4531 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2022年1月27日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。