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それによって生まれた怪物がやがて本当に木ノ葉を壊滅に追い込むのを、私は知っている。
『過去は変えられない。でも未来は変えられます。敵は捕虜として捕まえ、事件が解決した後に丁重にお返しすれば良い。罰を与えるなら与えたらいい。…勿論自分を殺しにくる敵を捕まえるのは殺してしまうより難しい。わかってます。でもそれこそが、犠牲よりも必要な事だとは思いませんか』
「…」
『思わないと仰るなら、私はこの里に協力できません。どうしても情報が欲しいというのなら拷問でも山中一族の力でも使って私から強制的に引き出せばいい。』
ただ未来を変えるだけで救えるものと、救えないものがある。この世界に必要なのは根本的な意識の改革だ。初代火影がうちはマダラを殺してしまった時に出来上がった闇を消すには、そもそもの倫理観を改める必要がある。
普段は人のいい好々爺である3代目火影も、2代目や初代の意志を強く受け継いでいる。確かに火の意志も大事だが、それを貫くだけでは未来はない。
ドキドキと弾む心臓を抑えながら火影様の顔をじっと見つめると、彼はしばらく私の目を見つめていた。…ほんの少しの動揺の色がその目には見られたような気がした。やがて彼は深くため息を吐く。
「……確かに、Aの言う通りじゃな。ここで犠牲を生むのは得策ではない。未来ある孫や子の世代に遺恨を残すわけには行かぬ」
ざわ、と部屋の中に動揺が走る。酉面の暗部は慌てて三代目の前に跪き「失礼ながら」と切り出した。
「彼女の言う方法では里への被害が甚大なものになります。とても受け入れられません。やはり彼女は拘束して…」
「里を守るのが火影の役目じゃ。それは何も外敵を追い払うだけではない。次の世代を育み守ることも、ワシの…否、大人の役目というものじゃろう。今目の前にいる
「…それは」
暗部はぐっと言葉につまる。
『…私が無茶を言ってるのは百も承知です。ですがこちらには情報というアドバンテージがある。どこにどんな敵が来るか分かってさえいれば、追い払うのも捕まえるのもできない話ではない…と忍としてはぺーぺーでちんちくりんの私は思うんですけど、テンゾウさんどう思います?』
「そこで僕に振るの?……、…まあ、できないことは無いし里への被害も戦うよりは抑えられると思う、けど…」
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ぱーぷる姫(プロフ) - 6時間ぶっ続けで読み続けました。どうかハッピエンドに! (7月5日 6時) (レス) @page44 id: 4d7ac923b9 (このIDを非表示/違反報告)
夢優(プロフ) - 初コメ失礼致します。陰ながらずっと応援しておりました。同じくカカシ先生が好きな一人です。更新される毎に面白く、次のお話が楽しみでいます。今後の展開楽しみです。Twitterの方にフォロー申請させて頂きました。これからも応援しております。 (2022年8月19日 12時) (レス) id: 8b891f9a28 (このIDを非表示/違反報告)
Luna - 1作品目から秒で読み終わってしまった、、楽しみにしてます! (2022年8月1日 23時) (レス) @page47 id: c3b541dbab (このIDを非表示/違反報告)
巴(プロフ) - 更新嬉しいです!やっぱりこれは神作品 いつまでも応援しています!! (2022年7月6日 0時) (レス) @page44 id: ef698603e3 (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - あああああああああああああおわってしまったぁぁぁぁぁぁあ (2022年6月20日 3時) (レス) @page40 id: 9e745c4531 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宙 | 作成日時:2022年1月27日 22時