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『となると選択肢は1つ。ここにいる誰かと話す、もしくは接触すること…違いますか』
今度は返事を待つ。私の言葉を黙って聞いていた先生と暗部達もが大蛇丸の返事を待っているのが気配で分かった。大蛇丸はしばらく無言だったが、やがてゾッとするような笑みを浮かべて私を見下ろした。
「…どうかしら。ここでカカシくんたちに邪魔をされずにアナタを攫って、ゆっくり嬲り殺す…なんて選択肢もあると思わない?なんせアナタは私の可愛い部下を傷つけたのだし、それくらいのコトをされる覚悟はあるわよね?」
「ッ!」
その言葉に1度落ち着いた空気がまた張りつめた。上忍以上の忍同士の殺気のぶつかり合いが始まって冷や汗が垂れ…いや待て今この人可愛いって言った?カブトを??
『…えっ、いや、まっ、ウソだろそんな可能性あんの!?アレに可愛い判定入れるんですかアンタ!!…じゃねぇ、えっと、その可能性はないと思います!!だってあの腹黒クソメガネのどこが可愛いのか分かりません声がいいのは認めるけども!!』
「……は?」
大蛇丸がぽかんとした顔でこちらを見下ろす。その顔を見て自分のやらかしたことを悟った。…いやでも今のは突っ込まざるを得ないじゃん。関西人の血が騒ぐじゃん。私東京出身だけど。
大蛇丸はそっとカカシ先生や暗部さんの方を見た。カカシ先生はハァと大きくため息を吐いて顔に手を当てていた。それを見た大蛇丸は色々察したのか先程よりかなり冷ややかな目でこちらを見下ろす。
「……アナタ、ひょっとしてかなりのバカなのかしら」
『うるせ〜〜〜〜〜ッッバカは元々ですぅ!てか現時点で貴方の顔の良さに悶絶して叫びながら壁に頭打ちつけてないだけでもマシだと思うんだが????頑張ってますよね私の理性???』
「理性をかなぐり捨てた人類のいい例がアナタね」
『ついに人類の域超えちゃったか私、流石すぎるな』
「褒めてないのよ。……ああもう、話が逸れたわね。それとも逸らしたかったのかしら?」
グリ、とクナイの刃の部分が首に食い込むのを感じてそっと口を閉じる。あまり怒らせると私の命が危ない。さっさとカカシ先生と話してご退場頂こう。
『カカシ先生にお話があるんでしょう?私黙ってます、もう口は挟みませんよ』
「…誰がカカシくんと言ったかしら。私が話をしに来たのはアナタよ、AAちゃん」
『…え゛』
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ぱーぷる姫(プロフ) - 6時間ぶっ続けで読み続けました。どうかハッピエンドに! (7月5日 6時) (レス) @page44 id: 4d7ac923b9 (このIDを非表示/違反報告)
夢優(プロフ) - 初コメ失礼致します。陰ながらずっと応援しておりました。同じくカカシ先生が好きな一人です。更新される毎に面白く、次のお話が楽しみでいます。今後の展開楽しみです。Twitterの方にフォロー申請させて頂きました。これからも応援しております。 (2022年8月19日 12時) (レス) id: 8b891f9a28 (このIDを非表示/違反報告)
Luna - 1作品目から秒で読み終わってしまった、、楽しみにしてます! (2022年8月1日 23時) (レス) @page47 id: c3b541dbab (このIDを非表示/違反報告)
巴(プロフ) - 更新嬉しいです!やっぱりこれは神作品 いつまでも応援しています!! (2022年7月6日 0時) (レス) @page44 id: ef698603e3 (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - あああああああああああああおわってしまったぁぁぁぁぁぁあ (2022年6月20日 3時) (レス) @page40 id: 9e745c4531 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宙 | 作成日時:2022年1月27日 22時