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『水遁 ”聖槍”』


手に集めたチャクラはやがて水へと変わり、槍の穂先のように鋭くとがった水へと形を変えていく。それをサスケの首に当てると、押し当てた部分が彼の皮膚を通り抜けて行く。サクラがひっと声を上げる。


「え…それ大丈夫なの!?痛くない!?」

「痛くは…ない」

『まあ水を体の中に入れてるだけだからね。…そのままじっとしててね』


呪印は大蛇丸の仙術チャクラと仙人化の体質を持つ重吾の酵素を混ぜ合わせてできたもの。そして私のチャクラは他者のチャクラを中和することが出来る。つまり、重吾の酵素は消せなくても大蛇丸の要素をサスケの体内から取り除くことはできるはずなのだ。よって暴走も抑えやすくなる。……はず。


水の槍が半分ほどサスケの傷部分に入り、手のひらにあたる水がだんだん暖かくなり始めた。よし、キズ部分に溜まったチャクラは中和できた。このままもう少しチャクラを注げば全身に…


『ツッ、……あ゙ッ!』


ぐっとチャクラを注いだ途端手のひらにあたる水が沸騰するようにボコボコと暴れ、私の掌を蒸した。咄嗟に手を引き抜く。中和するために多めに注ぎ込んだが、大蛇丸のチャクラを中和しながら槍の形を維持するのはさすがに無理があったらしい。


『はーッ、はーッ、』


体に力が入らない。ボタボタと血が私の顔から垂れた。鼻血が出るまで集中していたらしい。そりゃそうだ、相手はあの大蛇丸のチャクラ。そもそもの量が半端じゃないし癖が強い。2人がハッと息を飲み、倒れかけた私の腕を両側から掴んでくれた。サスサクに挟まれてるやだ幸せ。


「ちょっ、大丈夫なの!?…あ、A鼻血!」

『だいじょーぶ……ではないかも…ごめんちょっと座っていい?』


ポケットから取り出したハンカチで鼻を抑えながらサクラにサスケの首筋を見るように頼んだ。サクラはサスケの首筋に手を伸ばし、それからあっと驚いたように叫ぶ。


「サ、サスケくんこれ…呪印の色が薄くなってるわ!」

「たしかに…痛みがさっきよりも引いてる。A、お前何を…」

『んー?アレをちょちょいってしてひょーいってやっただけよん』


まあAちゃんは天才ですからね!というとサクラが大きくため息を吐いた。


「まだ試験あるのに無茶してどーすんのよ、バカね!」

『この程度無茶じゃないよ』


とにかくちょっとでも呪印がマシになってよかった、と立ち上がる。サスケは私の様子を見て苦虫を噛み潰したような顔をした。

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ぱーぷる姫(プロフ) - 6時間ぶっ続けで読み続けました。どうかハッピエンドに! (7月5日 6時) (レス) @page44 id: 4d7ac923b9 (このIDを非表示/違反報告)
夢優(プロフ) - 初コメ失礼致します。陰ながらずっと応援しておりました。同じくカカシ先生が好きな一人です。更新される毎に面白く、次のお話が楽しみでいます。今後の展開楽しみです。Twitterの方にフォロー申請させて頂きました。これからも応援しております。 (2022年8月19日 12時) (レス) id: 8b891f9a28 (このIDを非表示/違反報告)
Luna - 1作品目から秒で読み終わってしまった、、楽しみにしてます! (2022年8月1日 23時) (レス) @page47 id: c3b541dbab (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新嬉しいです!やっぱりこれは神作品 いつまでも応援しています!! (2022年7月6日 0時) (レス) @page44 id: ef698603e3 (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - あああああああああああああおわってしまったぁぁぁぁぁぁあ (2022年6月20日 3時) (レス) @page40 id: 9e745c4531 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年1月27日 22時

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