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「大変だ!化け物が橋に...!」
...来たか。
今日が本当の正念場だから気合い入れないと。
手に持っていたお茶碗と箸を机に置いて立ち上がり、置いていた額当てを巻こうとすると、隣にいた先生に取りあげられた。
「はいダメ、お前は留守番」
『いやなんで』
「お前は怪我人でしょーよ」
『昨日散々私の事ボコってたのどこの誰でしたっけ?』
「修行と本戦は別。...それに、お前本調子に戻れてないじゃない。」
...まあ調子が戻ってないことは認めざるを得ないけど...
でも今日は行かないとダメ。じゃないと白も再不斬も助けられない。
『肋の一本や二本でガタガタ言ってる場合じゃないんです』
「ダーメ。死にたいわけ?」
『今日行かないと、未来が変わらないんです。』
カカシ先生の目が僅かに揺れた。もう一押し。
『...人が死ぬんですよ。』
「...!」
私は白をカカシ先生に殺させたくない。雷切を使ったあの瞬間、殺してしまった瞬間の先生の顔。
リンちゃんを殺した時と、全く同じ表情だったから。
_________あんな顔、推しにさせたいわけないでしょ。
「...護衛だけ。前線には出ない。約束して」
『!...分かってますよ、流石にこの状況で前には出られません』
...まあ、ちょっと前に出たい時はあるけどね。その一瞬だけなら先生も許してくれるでしょ。多分。
ーーーーーーーー
...連れてきて正解だったのだろうか。
橋に向かって走りながら、顔色が悪いAを横目で見ながら考える。
修行と称してどれくらい動けるかを試して見てもやはり通常通りには動けず、痛みに歯を食いしばっているのがよく分かる。
それだけじゃなく、今日のAはどこかおかしい。
...縛り付けてでも置いてくるべきだったかもしれない、と思うくらいに。
おそらく今日“こと”が起こるのだろう。とにかく必死だった。
危なっかしい色が目の中に見えた。未来を変えるためなら、最悪の事態も厭わないかもしれないとすら思わせるような、そんな危なっかしさが。
「...いいなA、絶対に前線には出てこないこと。」
『分かってますって!貴方は私の母ちゃんですか!?...ハッ、もしかしてパパ...!?』
「バカ言ってたら再不斬の前に放り出すよ」
『理不尽ニキで草』
_________守る。
人に頼るのが下手で、とてつもなく不器用で、本当は泣き虫で、自分を大事にできない優しいこの子は、
「(_________絶対に死なせやしない。)」
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あおい - 主様銀魂とツイステ知ってるだろ、、、ここが俺らのツイステッドワンダーランドや、、 (3月19日 14時) (レス) @page7 id: 61f4292cce (このIDを非表示/違反報告)
カカシ先生の二の腕ありがとうございますッ - 好きすぎて爆発してるゥー (2022年11月30日 2時) (レス) @page22 id: 35a2f73e5b (このIDを非表示/違反報告)
Luna - すきぃ、、、 (2022年8月1日 22時) (レス) @page50 id: c3b541dbab (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - 初めまして……!!!素敵な作品をありがとうございますッッ!ページを進める度爆笑しています……! 無理せずに頑張って下さい!!!応援しています! (2020年11月13日 10時) (レス) id: c3fcfeb2b8 (このIDを非表示/違反報告)
こむ - はじめまして!大好きですこれ!ありがとうございます!いつも笑わせてもらってます! (2020年11月4日 18時) (レス) id: 1f65b2d6f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宙 | 作成日時:2020年10月2日 7時