Letter23 ページ23
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季節は巡って秋になった。
読書の秋、スポーツの秋、そして……
「A…食べすぎでは？」
『いいでしょ！生きてるうちに美味しいもの食べなきゃ人間として損だから！』
死ぬ前にやりたいことリスト、的なのを作った訳では無い。
でもやっぱ死が近づく今、やりたいことはやっときたいじゃん？
という訳で急遽、めでたく旦那になった彼に連れてってもらったのです！
スイーツブュッフェ！
『あーお腹いっぱい歩けなぁい』
もう人生でこんなに沢山のものを一度に食べることは無いから消化頑張れ、私のお腹！
「あ、口にクリームついてます」
お、これは、舌で舐めとってくれるやつかな！
昔少女漫画で憧れたやつ！
『……あれ』
「？」
彼はウエットティッシュで普通に優しく拭いてくれた。
まぁそれでいいんだけど！
「あー！今僕で変な妄想しました？」
ニヤニヤする幼馴染……いや、旦那は幸せそう。
チクリ。
その幸せを貴方とずっと味わっていられない自分をまた恨む。
彼は私の不安を取り除くかのようにキスをした。
「…こっちの方がいいでしょ？」
『おぉ、るぅちゃんの顔が赤い』
店員さんに
またのお越しをお待ちしております！
とお決まりのフレーズを言われる度にそれは私に向けられた言葉ではないと思ってしまう。
────────次、
なんて私にあるかわからないから。
るぅちゃんの手を握る。
私よりも年下なくせに一回りも大きくて男の子の手。
「行きたいところありますか？」
『…敬語の癖抜けないよねるぅちゃんって』
煩いですよ！と私の髪を優しく引っ張る彼。
もーやめてよーってだるく返そうとしたら。
────────誰かの、独特な声に惹かれる。
「はぁ？お前だっる！今から行くのー？」
ヤギみたいな声、ガサガサしてる。
でも、私が死ぬほど好きな、彼の…。
「きっしょ！お前なぁ今に見てろよ…！」
私の横を通り過ぎていく青い髪と男子グループ。
彼らはカラオケ店へ入って行く。
……待って！
手を伸ばせば届いてしまう距離に辛い別れ方をした彼がいる。
『ころちゃ……んぐぅ』
「A、次は僕のお洋服見よう？」
彼は私の口を塞ぎそのまま顔ごと動かされる。
『…うん、行こ？』
危ない。るぅちゃんに声をかけられなければあのままころちゃんに声をかけるところだった。
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mei - 何年経ってもこの小説が素敵すぎて読みに来てしまいます｡3人それぞれの視点で読み返してみるとより深く考えさせられます｡1つのお話として本当に素晴らしい作品だと思います｡これを元に書籍化して欲しいくらいです｡颯桜さんの書く素敵な物語に出会えて良かったです｡ (4月1日 3時) (
レス) @page49 id: ece57623d6 (このIDを非表示/違反報告)
颯桜(プロフ) - イチゴジャム･.｡*･.｡*さん» 素敵なコメントありがとうございます・・・！大変光栄です。 (2022年2月21日 20時) (レス) id: 86b77a05e2 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴジャム･.｡*･.｡*(プロフ) - 小説、占ツクが好きになったのはこのお話がきっかけです。読んだのは結構前ですが、素敵な作品をどうもありがとう…！ (2022年2月20日 12時) (レス) @page49 id: 3017e9e097 (このIDを非表示/違反報告)
颯桜(プロフ) - 凛月さん» 凛月さん！素敵なコメントをありがとうございます。元から文を書くことが好きで趣味程度に始めた創作ですがこのように誰かの心の中に残るようなものを残せてとても誇らしく思います。これからもどうかよろしくお願いいたします。(私も凛月さんの作品好きです。) (2022年2月8日 0時) (レス) id: 86b77a05e2 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - この作品を読んだのは随分と前のことなのに、今でも無性に読みたくなって、何度も戻って来てしまいます。占ツク外も含め、私が今まで読んできた小説全ての中で1番好きな作品です。本当に素敵な作品をありがとうございます。 (2022年2月7日 0時) (レス) @page49 id: 80b1d18970 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：颯桜 | 作成日時：2020年3月1日 20時
