明日はきっと、いい日になる。 (ページ20)

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どれだけ寝てしまっていたんだろう…。

あ「玉森くん…。」

目が覚めると、ベッドのそばで玉森くんが寝ていた。

ずっと、見ていてくれたんだ…。

あ「ありがとう…ありがとう…玉森くん…。」

眠ってしまった彼に、毛布をかける。

こうして見ると、すっごく綺麗な顔だな…。

アイドルだから当たり前なのかもしれないけど…。

なんか、女の子たちが彼に惹かれる気持ち…ちょっと分かる気がする。

あ「あれ…服が変わってる…。」

玉森くん、着替えさせてくれた？

あ「このパーカー…昨日の…。」

玉森くんのパーカー…。

どうしてだろう。

これを着ていると、すっごく心が落ち着いて…。

なんだか温かくなる。

た「あれ…せんせい…？……あっ、ごめん！寝ちゃってた…！」

慌てて飛び起きる彼。

た「どう？具合は？」

心配そうな顔で、私を見つめてくれる。

あ「うん、だいぶ楽になったよ。ずっと見ていてくれて、着替えさせてくれてありがとう…。」

私の言葉に、彼はハッとして…。

た「勝手に着替えさせてごめん！でも俺、何もしてないから！なるべく見ないように努力して着替えさせたから！」

すっごく焦りながら、そう謝ってきた。

あ「ふふっ、分かってるよ。それに全然気にしてないよ、私。」

た「信じてくれるのは嬉しいけど…そこはもうちょっと気にしなよ…せんせい。」

はぁ…とため息をつく彼。

あ「あっ…あと昨日もだけど…このパーカー、ありがとう。」

た「ううん、気にしなくていいよ。せんせい。」

あ「なんか…これ着てるとね、すっごく心が落ち着いてあったかくなるんだ…。」

た「せんせい…。」

そのときだった…。

あ「たまも…」

彼に…ギュッと抱きしめられた。

た「じゃあ…そのパーカー、あげるよ。」

えっ…。

あ「そ、そんな！頂けないよ！」

そう言うと、彼の腕の力が強くなって…。

た「あげる！これは命令！せんせいが怖い夢を見ないように…さ…。」

玉森くん…。

私が…怖い夢を見ないように…。

た「だから…貰って？俺がせんせいに貰ってほしいんだ…。」

彼の手が…私の頭を撫でる…。

その手は、とても優しい手だった…。