２１伊沢さんと…？ ページ23
川上が初めて、この子を連れてきた日。正直、また拾ったのかなんて呆れたもんだ。去年の今頃に一人の女の子を拾ってきた川上。彼女と今回の子はいろんな意味で全然違う子だけど、誰かしらに似ている所があったりして、去年は手を焼いた。
今年は、誰に似てるんだろうなんて考えていたけれど、それはきっと誰でもなくて。今年は今年で凄い子が来てしまったなぁとちょっぴり身構えた。
川上以外と口を利かないその子は、俺達の事が苦手なのかと思ったら、そうではなくて。施設に居た頃の掟をしっかり守る子だっただけだった。古和さんから話を聞くに、まだ6歳だというのに、大人との接し方を理解し、自分の立場を弁える素晴らしい子だった。妙に大人びている物言いの熊と、口下手なこぐまちゃん。その年齢で獲得できた腹話術。それだけでも只者じゃないのに、産まれてからの人生が壮絶だった。
そんな彼女は、動物並みに嗅覚が優れているようで、俺と俺以外の人の匂いをかぎ分けた。もしかしたらただの偶然だったのかもしれない。だけど、とてもそんな偶然のようには思えなくて、つい口を滑らせてしまった。彼女には、どこか隠し事を相手にさせない雰囲気がある。だからだろう、ぽろぽろと悩みを吐き出しそうになってしまったのは。
慌てて取り繕うとするも、上手くいかないような気がしてさっと考えていたものを口から出まかせの勢いで話せば、意外にも食いつきが良くて、安心したところを悟られないように部屋から退出した。
「こぐまちゃん、はいこれ」
「これ、なあに？」
「これは、早押しボタンっていって、ほらこの突起を押すと―――」
「……っ！？わ、ついた！！」
「そう、ランプが点滅するの。俺がいまから問題文を読むから答えが分かったら押してみて？」
「……うん！！」
ランプが点滅したのをみて、目をキラキラと輝かせ、身を乗り出すこぐまちゃんを見て、思わず彼女の姿と重ねてしまった。彼女にクイズを教えた時もこんな感じだった。まあ、彼女はこぐまちゃんと違って超がつくほど生意気だったけど。
「問題、―――」
「わかった！あ、はいっはい！！」
「ボタン押してこぐまちゃん！」
「あっ……、」
ピコンッ
彼女の年齢でもわかりそうな問題を出すも、全く当たらない。けれども彼女はめげずにクイズに向き合っていた。
何度も何度もボタンを押し忘れてしまう彼女に笑みがこぼれてしまうのは致しかたがないと思う。だから、……そう睨むでない川上。
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瑞西（シャラルー☆）(プロフ) - ゆのさん» わわ…っ、ありがとうございます！確かに、主人公ちゃんは可愛らしい（真顔）素敵なパワーをいただけたので、さらに良いものを提供できるよう頑張ります(*´▽｀*) (2019年12月25日 18時) (
レス) id: 705dc09b7e (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - 主人公が可愛くて、お話も素敵で、情報の管理もしっかりされていてすごいと思います！お話楽しみに待っているので、作者さんのペースで頑張ってください！応援しています(p｀･ω･´q) (2019年12月25日 9時) (レス) id: 6ede61fc28 (このIDを非表示/違反報告)
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