２２川上さんと…？ ページ24
こぐまちゃんと伊沢さんの様子を窺いながらできる片手間の料理ってなんだ？と伊沢さんが買ってきた具材を見ながら考える。伊沢さんは肉じゃがを作ってくれていたようなので、それを完成形に近づけるのはもちろん、それだけじゃ足りないだろうとサラダでも作ることにした。
伊沢さんが赤の他人に自分の周りの人の話を自ら切り出すのは珍しい。だからこそ、俺ら以外が彼に寄り添わずに口を聞いた伊沢さんに驚きを隠せなかった。
野菜を切っていた手を止めて、顔を上げれば熊が伊沢さんと会話をしていて、伊沢さんは彼女の誘導通りに口を開いていた。そして俺は流れのままに熊と伊沢さんに悪態をつかれた。……解せぬ。
それでも、ぽつりぽつりと吐き出された言葉には、俺らが引き出す言葉以上の臨場感があった。俺らじゃなくて、こぐまちゃんだから引き出せたものかもしれない。熊じゃなくて、彼女の口からの吐き出された言葉、だからなのかもしれない。……と、そんな風に思えた。
でも、すぐに伊沢さんも自身の異変(？)に気が付いたのか、慌てて口を噤んだ。彼女の方に視線を移すが、彼女は特に残念がる風でもなく、それ以上は踏み込むまいと目を伏せているようだった。
そして、すぐに伊沢さんはお得意の”切り替え”を使った。切り替えた先はまさかのクイズで、こぐまちゃんはクイズ？何それという感じだが、見事に食いついてくれたよう。伊沢さんに頼んでおいてよかったと、まずは一安心。そして、伊沢さん……事情聴取やなぁと呆れ、溜息を吐き出した。
しばらく二人を観察していれば、悔しいことが一つ。
それは、こぐまちゃんが普通に会話しているということ。あの俺でさえ、こぐまちゃん自身と口が利けるようになったのは本当に数時間前くらいからやのに？伊沢さん、アンタなんて奴だ。そんな思いが顔に表れていたのだろうか、伊沢さんはひっと顔面をひきつらせた。そして、口パクで怖いと伝えられたが、怖いと言われてもどうしろと……と困惑する。
いっそガムテープで伊沢さんの口を塞いで、俺が会話したいものだが、あのこぐまちゃんの愛らしい笑顔を見ていたら、そうする気さえ失せてきてしまう。
「こぐまちゃん、伊沢さん……準備できたので、机の上片付けてください」
「……！」
びしっと手を挙げたこぐまちゃんが見えて、思わず頬が緩む。くるりと振り向いた彼女がこちらに微笑みかけていて、思わず卒倒しそうになった。そんな俺を伊沢さんは頬を緩めて見つめていた。
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瑞西（シャラルー☆）(プロフ) - ゆのさん» わわ…っ、ありがとうございます！確かに、主人公ちゃんは可愛らしい（真顔）素敵なパワーをいただけたので、さらに良いものを提供できるよう頑張ります(*´▽｀*) (2019年12月25日 18時) (
レス) id: 705dc09b7e (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - 主人公が可愛くて、お話も素敵で、情報の管理もしっかりされていてすごいと思います！お話楽しみに待っているので、作者さんのペースで頑張ってください！応援しています(p｀･ω･´q) (2019年12月25日 9時) (レス) id: 6ede61fc28 (このIDを非表示/違反報告)
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