イナGO 二重人格のボク／俺はボカロの歌い手 フィフスステージ!!

二百四十六曲目　ファンと言う名の観客side15 ページ46

コハルの見せる世界観は凄い。
凄いの域を超えて、凄まじいのレベルだ。
シロの世界観を言い表すとすれば、色彩豊かな絵。あるいはおもちゃ箱の中にスペースを造ってやっているような賑やかさがある。
コハルの世界観は、正反対ながらもどこか似ている所があって、うまくミックスされている。
使う色はシロの世界観と同じかもしれないが、技法が違うんだ。
シロは油絵だとすれば、コハルはパフォーマンスアート。大胆だが繊細だ。

唯一違うのが、ギターパフォーマンス。二種類のギターを使い分け、あるときは弾き語り、あるときは壊れたか疑いたくなるようなハイテンションに合わせたギターテクニック。

あれで同い年とは信じがたい…身長は平均より少し上に見えるけども…
気になるのが、眼帯。
シロは理由があったが、コハルはただ単にキャラ作りだろうか。シロと対だと意識させるための。

コハル:！

い、今、目が合っ…？！

コハル:なんか考え事してるっぽいヤツいたけど、大丈夫かー？へばってんじゃねーぞー？

からかうようなコハルの言葉に、俺は思わず下を向いた。
もしかして…目が合ったのって…偶然じゃないってことか？！

コハル:んんっ…あーーあー、んー。
ファン:大丈夫ー？！
コハル:あー大丈夫大丈夫。ありがとな。

にひっと笑うコハルに、俺は不覚にもドキッとした。

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