イナGO 二重人格のボク／俺はボカロの歌い手 フィフスステージ!!

二百三十曲目 ページ30

コハル:シロとの対の曲、いってやろうじゃねぇか！

早口言葉には自信がある。
俺は直前まで息を止める。
イントロに合わせてブーツの爪先を鳴らす。

コハル:♪「苦しくて 悲しくて 悔しくて やめたくて」
「それすらも許されず なにもかも失うだけで」
「辛過ぎて 憎過ぎて 虚しくて 消したくて」
「なにもかも 投げ出して 飛び出して 喚き叫ぶよ！」

コハル:♪「アンチ アンチ アンチクロロベンゼン」
「アンチ アンチ アンチクロロベンゼン」
「アンチ アンチ アンチクロロベンゼン」

コハル:♪「キミは何も知らずに 夜の街を駆けるよ」
「ボクは何も言わずに それをただ見てるだけ」
「チープな言葉並べ ゴールは何処にあるの」
「ルールは其処になくて 脆く朽ち果てていく」
「ボクはそして語る この世の全てを正すんだと」

「ボク」はシロの一人称なんだがな…

コハル:♪「ボクは 野良猫に語る この世の全てを正せるよと」
「出来もしない誓い振りかざし 独りよがりに酔いしれる」
「みんな知ってる 理解してる だからボクは今日も」

コハル:♪「晒されて 壊されて 錆ついて 朽ち果てて」
「ありもしない噂さえ流されて 真となるよ」
「嘘でもいい 構わない ボクたちが 正しくて」
「キミたちの罪深い 背徳を捻り潰すよ！」

マイクを握ってない腕を振り下ろす。

コハル:Ah── Ah─── Ah─── Ah───

コハル:♪「この歌に意味はあるの？ この詩に意味はないよ」
「この歌に罪はあるの？ この詩に罪はないよ」
「あの歌に意味はあるの？ あの詩に意味はないよ」
「あの歌に罪はあるの？ あの詩の罪は…」

ドンッと音と共に照明が落ちる。

コハル:♪「アンチ アンチ アンチクロロベンゼン」
「アンチ アンチ アンチクロロベンゼン」
「アンチ アンチ アンチクロロベンゼン」



続きます！

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